欧州、アジアで市場を広げる、韓国のアニメーション:ASIA-EU CARTOON CONNECTION レポート 第2回

欧州、アジアで市場を広げる、韓国のアニメーション: 
ASIA-EU CARTOON CONNECTION 2013 レポート 第2回

取材・文: 伊藤裕美(オフィスH)

■ 欧州、アジアで市場を広げる、韓国のアニメーション

3月19日午後から公式日程が始まったカートゥーン・コネクションでは、午前にEUとアジアの業界動向等の発表と討議、午後に参加者全員が一対一でおこなう個別面談が組まれ、コーヒーブレークや夕食会では和やかで活気ある交流がおこなわれた。
韓国の参加者の中にはリピーターも多く、EUの再訪組と旧交を温める会話があちらこちらで聞こえ、ネットワーキングの場としての評価は高い。それだけでなくKOTRAはカートゥーン・コネクションで韓国の国際進出を発表した。

韓国とEUの間には2011年7月に自由貿易協定(FTA)が暫定発効され、その恩恵がアニメーション産業にも及んでいる。KOTRAの呉永鎬(オ・ヨンホ)社長は、韓国アニメーションの対欧輸出比重は1/4を占め、年平均の増加率が30%になるとして、「リーマンショックなど世界経済の影響を受けたものの、欧州のアニメーション市場は著しく拡大している。中小企業が多い韓国のアニメーション業界の欧州への進出拡大と、韓国/EU/アジアの共同製作活性化のためにKOTRAはグローバル需要発掘に力を尽くす」と、カートゥーン・コネクション共同主催の意義を強調した。
オープニングスピーチで、在韓欧州連合代表部のヴァンサンギヨーム・プポー大使はFTAに基づきEU・韓国間の国際共同製作の協定を強化、延長し、オーディオビジュアルの国際共同製作で双方の利益を増やしたいとした。それに続き、KOTRAとタイのソフトウエア産業振興庁(SIPA)はメディア共同製作協力増進の覚書に調印した。

民間では、韓国のK-Production、Design SoulとマレーシアのCreative Media Pointが国際協働の調印をおこなった。マレーシアと韓国の間では、TVシリーズ『Ddee』、『Mask Masters』、米国も加わった劇場公開長編『War the Worlds: Goliath』等、国際共同製作の関係が強まっている。
アニメーションは世界展開で新しい経済価値を生むとして、韓国ではKOFIC(韓国映画振興委員会)、KOCCA(韓国コンテンツ振興院)、SBA(ソウルアニメーションセンター)、GITCT(光州情報・文化産業振興院)が国際共同製作と国外販売を支援し、アジア、欧州そしてカナダを相手に国際共同製作の実績を重ねている。韓国のRedrover(レッドローバー)社は立体視3DCGアニメーションで世界的な実績があるカナダのToonBox Entertainment(トゥーンボックス・エンタテインメント)社との戦略的な協働で、3DCGアニメーションのアドベンチャーコメディー長編『The Nut Job』を今年公開する。TVシリーズ化も計画しているという。

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[伊藤裕美]
オフィスH(あっしゅ)代表。
外資系ソフトウェア会社等の広報宣伝コーディネータや、旧エイリアス・ウェーブフロントのアジアパシフィック・フィールド・オペレーションズ地区マーケティングコミュニケーションズ・マネージャを経て1999年独立。海外スタジオ等のビジネスコーディネーション、メディア事情の紹介をおこなう。EU圏のフィルムスクールや独立系スタジオ等と独自の人脈を持ち、ヨーロッパやカナダのショートフィルム/アニメーションの配給・権利管理をおこなう。
http://blogs.yahoo.co.jp/hiromi_ito2002jp