創立50周年 円谷プロダクション、次半世紀も攻めの戦略

大岡新一代表取締役社長とウルトラマン
大岡新一代表取締役社長とウルトラマン

2013年4月12日、日本の映像制作で特別な存在感を放ってきた円谷プロダクションが創立50周年を迎えた。この記念すべき日に、東京・渋谷のアイア シアターで同社の新事業展開説明会が開催された。800席のシアターは関係者やマスコミで満員となり、同社の作品とビジネスへの関心の高さを見せつけた。
挨拶に立った大岡新一代表取締役社長は50周年について、「映像作品、キャラクターを応援してくれた人たちのおかげ」と感謝し、“50周年の感謝を明日の力へ”と今後も積極的に事業に取り組むと語った。そして、現在は『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の時代には獲得出来なかった映像表現が可能になったと、作品づくりにも意欲的な様子だった。

この日、プレゼンテーションされた事業の目玉は3つ。ひとつは7月から放映となる新作と新しいウルトラヒーロー「ウルトラマンギンガ」である。ふたつめは、『ウルトラマン』のHDリマスター版Blu-ray Discの発売、そして3つめはバンダイが展開するカードゲーム「大怪獣ラッシュ」である。
一見はバラバラなこうした展開は、円谷プロダクションのウルトラ関連商品の確かな戦略にもとづくものだ。同社によれば、ウルトラ商品のターゲット3つある。初期のウルトラマンをリアルに視聴していた40歳から60歳の男性、青年・ファミリー層、そして3歳から6歳の未就学男児である。それぞれ事業がこうしたターゲットに対応することが分かる。円谷プロダクションの強みが、ウルトラマンシリーズの幅広い認知度であることを活かしている。

一方で、同社のもうひとつの特徴で、強みは、特撮の映像技術だろう。技術、経験の積み重ねは、他の追随を許さない。
しかし、特撮には映像づくりに資金がかかる弱点がある。テレビ番組ではアニメ制作のコストが高いとされることが多い。しかし、特撮番組はさらにそれを上回る。今回、発表された『ウルトラマンギンガ』が、1年弱で全13話、テレビ放送とイベント上映との組み合わせになっていることも、こうした事情をうかがわせる。番組単体としては成立しにくいだけに、関連事業との効果的な組み合わせが必要だ。

円谷プロダクションは、過去はこうしたノウハウが少なく、経営の安定しない時期もあった。しかし、近年はフィールズやバンダイなど、複数のコンテンツ事業を持つ企業が資本参加する。こうした企業のグループ会社とのシナジー効果の活用が期待される。
新作番組をテントポールに、今回発表された「大怪獣ラッシュ」などのゲーム、玩具、キャラクターの積極的な展開が今後の鍵になりそうだ。

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