ヤフー動画無料配信強化とアニメコンテンツ

ソフトバンクとヤフーは、12月19日にソフトバンクグループのインターネット配信事業を再編・集約した新会社TVバンクを設立したと発表した。新会社は、ソフトバンクグループの動画配信ビジネスの強化と動画コンテンツの調達、動画検索システムとサービスの開発・運用を行う。
また今回の大きな変化は、これまでは有料サービスを基本としてきた動画配信の多くを広告収入による無料サービスに移行することである。これにより現在ある有料コンテンツの大半が今後無料配信に切り替わる予定である。

ヤフー動画のコンテンツ提供企業には東映、バンダイチャンネル、GDHといったアニメコンテンツホルダーも多数含まれている。こうした企業の優良コンテンツが無料配信の対象になるかは今のところ判らない。
しかし、旧作アニメやプロモーションを兼ねた一部コンテンツの無料配信は今後急激に増える可能性が高い。

動画配信事業のポータルサイトでは、USENの運営するGyaOが無料配信で先行しており、先日登録会員の500万人突破を発表したばかり。今回のソフトバンクグループの動きは、明らかに先行するUSENの好調な事業を意識した動きといえる。
USENに続いてソフトバンクがコマーシャルからの収益を基盤にした無料放送に乗り出した点は注目すべきであろう。これによりインターネットでの動画コンテンツの無料配信が、ビジネス形態として定着する可能性が非常に高くなった。
逆に言えば、今後は既存のインターネット動画の有料配信ビジネスは一部の有力コンテンツを除いて再考を迫られる局面が現れるに違いない。今後は、この無料配信事業でUSENとソフトバンクが激しい戦いを繰り広げることになるだろう。

また、ヤフー動画では、来年1月からユーザーの撮影・制作した動画の投稿を受け付けて、同サイトから配信を行う投稿機能の採用も行う。こちらは、12月16日にオープンした「livdoor ネットアニメ」とユーザーが被りそうである。
動画配信のコンテンツが奪い合いになる中で、優良コンテンツの価格高騰は避けられない。投稿者の中から優良なコンテンツ、優れたクリエーターを発掘して囲い込みを図りたいという考え方は、両社とも同じであろう。
いずれにしろ、これで既存のコンテンツ配信と同様にコンテンツの発掘という面でも、インターネット上の動画コンテンツを巡る競争が始まったことになる。