300億円映像ファンド USEN・大和SMBC アニメも投資

コンテンツ配信のUSENと投資銀行業務を行なう大和証券SMBCは、共同で運用資産総額300億円のコンテンツファンドを来年2月に設立する。USENは、「UD第一号投資事業有限責任組合」と名付けられたファンドのうち150億円を拠出し、残りは大和証券SMBCが機関投資家や個人投資家に出資を募る予定だ。
ファンドの運営機関は10年、運用終了後はUSENグループが著作権を買い取る。また、投資される映像作品の調達資金の50%までを映画やドラマの制作とハリウッド映画への出資し、10%から20%はアニメ作品に投資される。残りの資金は音楽制作に利用される。

今回USENと大和証券SMBCが手掛けるコンテンツファンドは、これまで国内で公表されたコンテンツファンドでは最大規模のものである。アニメ作品だけに限っても、予定されている資金の10%から20%だけで30億円から60億円の投資資金になる。
これまで国内で公表されている最も大きなアニメファンドは、伊藤忠商事とターナーブロードキャスティング2社による30億円の私募ファンドでそれを上回ることになる。公募ファンドに限れば、これまでは数億円規模のファンドしか存在しなかった。

ファンドを設立し最大出資者になるUSENは、ブロードバンド放送の「Gayo」を通じて動画コンテンツの無料配信ビジネスを積極的に展開している。しかし、近年はインターネットの動画配信ビジネスの競争が激しくなり、コンテンツの価格が高騰するなど有力コンテンツの確保が困難になって来ている。
そこで、制作資金の出資により制作段階から有力コンテンツを抱えるという判断が働いているといえる。しかも、ファンドにすることで自己資金を大きく上回る投資が可能になり、これがUSENにとっての大きなメリットになる。

また、今回のファンドは、投資案件が実写映画からドラマ、ハリウッド映画、アニメ、音楽と様々なコンテンツを含んでいるのが特徴である。 
個別のコンテンツ(作品)がヒットしそうかどうかでなく、コンテンツビジネスそのものに対する投資ファンドといった意味で画期的である。一方で、このファンドで問われるのは個々のコンテンツの内容でなく、優れたコンテンツを発掘する力とそうしたコンテンツを事業として展開する総合的なマネジメント能力になる。
そうした意味からこのファンドで評価されるのは、USENと大和証券SMBC自体だと言えるだろう。