ビッグアップルコン 2010年NYコミコンと同日開催

激化する米国コミックコンベンション・ビジネス

 10月16日からニューヨークのマンハッタンの展示場PIRE94で、ビッグアップル・コミコン(Big Apple Comic Con)が3日間の日程で始まった。ビッグアップル・コミコンは、米国で数多く開催されるアメリカンコミックスやSFなどのサブカルチャーをテーマにしたコミックコンベンションのひとつである。
 1996年にビッグアップル・コンベンションとして始まったが、今年より米国のポップカルチャー情報、イベント主催のウィザード・エンタテインメント(Wizard Entertainment)に買収され、同社により運営されている。

 10月16日、ビッグアップル・コミコンはイベント開催に合わせ2010年の開催予定を明らかにした。発表された日程は10月7日から10日までの4日間、この開催日が米国のポップカルチャー業界に大きな波紋を呼んでいる。ニューヨークで開催されるもうひとつの大型ポップカルチャーイベント ニューヨーク・コミコン/アニメフェスティバルと全く日程が重なったからだ。
 ニューヨーク・コミコン/アニメフェスティバルはイベントと見本市運営の大手リード・エグジビジョンの運営で行われている。開催日程は10月8日から10日まで、ビッグアップル・コミコンの会場PIRE94に程近い大型見本市会場ジャビット・センターで行われる。

 ニューヨーク・コミコンはサンディエゴ・コミコンに次ぐ北米第2位の大型コミックコンベンションで、今年は7万7000人のファンを動員した。先月9月には、日本アニメ・マンガの大型イベント ニューヨーク・アニメフェスティバルとの共催も発表し、2010年は10万人規模の開催を目指すとみられる。
 一方、ビッグアップルの主催者ウィザードは、シカゴ、フィラデルフィアなどでもイベントを開催する。サンディエゴ・コミコンを運営するコミコン・インターナショナルに次ぐ業界大手である。また、コミック情報雑誌やホビー情報の大手でもある。

 ふたつのイベントは主催者と来場者の分散を招く可能性が高く、明らかに両社にとって不利となる。開催会場が近接しているため、来場者は回遊する可能性はあるかもしれない。しかし、展示場出展や物販、パネルと呼ばれるトークイベント、上映会、サイン会などを行う企業が、両イベントに出展することは難しい。
 傍から見ると老舗のウィザードが、この分野の新参企業リードにケンカを売ったかたちだ。しかし、ウィザードにとっては、自分たちこそが売られたケンカかもしれない。
 ウィザードは毎年夏に全米有数の規模を誇る5万人規模のシカゴ・コミコンを開催している。シカゴ・コミコンは、同社のフラッグシップイベントだ。2010年にリードは、新たにC2E2と呼ばれるコミックコンベンションのシカゴ開催を決定している。事業拡大が続くリードの動きに歯止めをかけたいとのウィザードの思惑が伺える。

 しかし、実際にコミックスやSF、テレビドラマ、そしてアニメやマンガの出版社がどちらのイベントを選ぶか未知数だ。雑誌や地方でのイベントなどによるウィザードと業界各社のつながりは侮れない。一方で、国際ブックショーなどを通じたリードとコミックス出版社のつながりも強力だ。
 トレーディングカードゲームについては、ゲーム大会の運営などからウィザードのほうがより有利であろう。しかし、アニメ、マンガについては、NYアニメフェスティバルを併設するリードが有利だ。より重要な、コミックス出版社や映画会社などの動向が今後を左右しそうだ。

 こうした激しいビジネスの対立は、過去10年間でファンイベントから企業のプロモーションの場として急成長するコミックコンベンションが急速にビジネス化していることが背景にある。
 リードの市場参入も、こうしたビジネスとして採算性が念頭に置かれている。ウィザード、リード、そしてサンディエゴ・コミコンやワンダーコンを運営する業界トップのコミコン・インターナショナルの競争はいま暫く続きそうだ。
 
ビッグアップル・コミコン http://www.wizardworld.com/home-apple.html
ニューヨーク・コミコン/アニメフェスティバル http://www.newyorkcomiccon.com/

ウィザード・エンタテインメント http://www.wizardworld.com/
リード・エグジビジョン http://www.reedexpo.com/
コミコン・インターナショナル  http://www.comic-con.org/


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