2017年までに電子書籍が急拡大、有料TV横ばい、音楽配信減少 野村総研調査

野村総合研究所は、国内IT関連市場と展望を11月21日に発表した。これは同研究所が2000年以降毎年実施しているもので、ICT(情報通信技術)主要4市場(デバイス市場、ネットワーク市場、プラットフォーム市場、コンテンツ配信市場)の動向分析と規模予測を行うものである。
今回は2012年、2013年、そして5年後にあたる2017年までの予測数字を出している。発表された数字からは、ICT産業の技術革新と新しいビジネスモデルにより、全体に成長を続けている様子が分かる。

コンテンツビジネス関係者にとっては、ソーシャルゲーム、電子書籍、音楽配信、動画配信(VOD)、BSデジタル放送、有料多チャンネル放送(ケーブルテレビ・衛星多チャンネル・IPテレビ加入世帯)の6分野からなるコンテンツ配信市場が興味深いだろう。

野村総研によれば、コンテンツ配信で今後最も成長が期待されるのは電子書籍である。2012年の1372億円が2013年には1780億円、そして2017年まで年平均で21.9%で成長を続けて3696億円に達するとしている。
現在の国内出版市場は1兆円強であるから、もしこれが実現すれば国内出版市場の1/3にあたるデジタルコンテンツの市場が出現することになる。これは2017年の動画配信市場1368億円の3倍、音楽配信426億円の8倍以上にもなる。

動画配信も成長を見込むが、電子書籍に比べれば控えめである。2012年は929億円、2013年は1034億円、2017年は1368億円と年率成長率は8.0%となる。
一方で、動画配信と競合する可能性も指摘されるBSデジタル放送、有料多チャンネル放送は、数字で見る限りは動画配信にあまり影響を与えていないようだ。BSデジタル放送は今後5年間年率平均1.8%成長、有料多チャンネル放送は-0.5%成長だ。また市場規模はそれぞれ2012年570億円と6197億円、2017年が623億円、6046億円である。ただし、成長が見込めないことは、今後の課題だろう。

唯一厳しい見方となったのが音楽配信である。2012年に501億円ある市場は、2013年には470億に減少し、2017年までに426億円まで縮小するとみている。年平均の減少率は3.2%、5年間で15%の市場が失われる。

2017年度までのIT主要市場の規模とトレンドを展望
野村総合研究所
http://www.nri.co.jp/news/2012/121121.html