北米のマンガ事情 第15回 北米で日本マンガは今でも人気なのか -2- by 椎名ゆかり 

文化輸出品としてのマンガ-北米のマンガ事情
第15回
「北米で日本マンガは今でも人気なのか - 北米のマンガ人気と“クール・ジャパン”」 PART2

 
椎名ゆかり
 

販路の数の低下とコンベンションにおける多様性の増加

その懸念材料のひとつが、アニメの放映数の減少である。アニメをきっかけにマンガを読み始める読者が多い海外では、アニメのテレビ放送状況はマンガ人気に大きく影響する。
アメリカでは地上波で2002年、大手ケーブルテレビでは2006年をピークに日本アニメの放映数は減った。特に大手ケーブルテレビであるカトゥーンネットワークはアメリカで「カトゥーンネットワーク世代」と呼ばれるファン層を生むほど新しいアニメファンを多く生み出すのに貢献したが、代表的な日本アニメ放映枠であったToonamiを2008年に終了している。
その結果、新規のファンが入るルートはネットやマイナーなケーブルテレビに限られている。日本と違って大人になったらマンガは読まない、または、高校卒業と同時にマンガを卒業する読者が多いと言われるアメリカでは特に、新しいファンが増えるきっかけとなるアニメ放映場所が減るのは大きな問題だ。

マンガ自体もアニメと同様に一般への露出が減っている。リアルの書店の数がネット書店に押されて年々数を減らし、Bordersという日本産マンガに棚の多くを割いていた大手書店チェーンが無くなって、ネット以外でファンではない人の目にマンガが触れる機会が減っている。

付け加えると、わたしが今年の夏「Anime Expo」で行った「マンガの描き方ワークショップ」でのアンケートでも、「いつからマンガを読み始めたか?」という質問に対して、マンガブームが起こったと思われる2002年から2007年までの6年間でマンガを読み始めた人が全体の57%を占め、それ以降2008年から2012年までは全体の20%だった。
アンケートの有効回答が92と少ない上、「マンガの描き方ワークショップ」の会場というある意味特殊な場所でのアンケートだったので参考程度とは言え、その結果は2008年以降に新規に参入したファンの少なさを表しているとも言える。
ちなみに同アンケートの「どこでマンガの存在を知ったか」という質問では、「友だちから聞いて」が一番多く42%、次いで「本屋」が21%、その次が「ネット」の12%だった。(有効回答数100)

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