ドワンゴ通期決算 増収減益で最終赤字に ポータル成長もイベント苦戦

モバイルコンテンツ・コンテンツ配信のドワンゴは、11月14日に2012年9月期の決算発表をした。連結売上高は362億円4300万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は13億4500万円(同19.5%減)、経常利益12億8400万円(同12.8%減)と増収減益だった。また、当期純損失5億600万円と最終赤字に転落した。
売上高の増加は、「niconico」によるポータル事業の成長に支えられた。売上げの減少傾向が続くモバイル事業をカバーしたかたちだ。各事業の売上高はモバイル事業143億200万円(同14.8%減)、ゲーム事業58億1600万円(同0.8%減)、ポータル事業139億円6100万円(同38.5%増)、ライブ事業6億5300万円(同174.4%増)である。

一方、利益面では、モバイル事業の減少分をポータル事業で埋めきれなかった。モバイル事業の営業利益が22億4600万円と前年比で10.4億円減少した一方、ポータル事業は15.2億円で8.5億円の増加であった。
ゲーム事業は、営業利益4億4300万円、またライブ事業は9億5100万円の営業損失である。ライブ事業には大型イベントニコニコ超会議やライブハウス ニコファーレの運営などが含まれる。

全体的にはモバイル事業の苦戦が際立っている。携帯電話のスマートフォン移行が急速に進んでおり、音楽系サイトの会員数が大幅に減少している。もともと利益率の高い事業だけに、継続的な売上高の減少は、同社の経営にも影響は大きい。
ドワンゴは、現在、スマートフォン会員の拡大を目指している。今後は、こうしたガラケーからスマートフォンへのビジネス移行がスムーズに進むかが同事業の鍵を握りそうだ。

もうひとつ苦戦しているのが、ライブ事業である。売上高は増加しているが、コスト(売上原価)も拡大しており、現状で収支バランスが大きく崩れている。売上高6億5300万円に対し、売上原価が14億1500万円となっている。
しかし、これは新規事業立ち上げ期の投資先行ともいえる。ドワンゴは2013年9月期もライブ事業を重視している。2013年9月期のライブ事業は売上高11億円で68.5%増を見込む。一方、営業利益の予想は6億5000万円のマイナスで依然赤字となる。
かつてのポータル事業がそうであったように、先行投資と短期的な赤字を覚悟のうえで市場を築き、将来の収益化を目指す戦略とみられる。

そのポータル事業は好調だ。四半期ごとに売上高を伸ばしている。2012年9月期では売上高139億6000万円はモバイル事業の143億円に迫る。2013年9月期では、売上高で逆転する見込みだ。
好調を支えるのは、有料のプレミア会員の増加である。2012年9月期には、前期比で25.9%増175万人に達した。今後は動画配信に続く有料コンテンツとして期待される電子書籍配信「ニコニコ静画」、さらに有料メールマガジンサービス「ブロマガ」にも注力する。動画と電子書籍とで、さらなるビジネス拡大を目指す。

ドワンゴ http://info.dwango.co.jp/