積極攻勢に転じるドリームワークス・アニメーション 2016年までのラインナップ発表

米国の大手アニメーション製作会社ドリームワークス・アニメーションAKGの事業拡大が鮮明になっている。2012年に入り、中国での合弁会社設立、アニメーション・キャラクターの大手企業クラシック・メディアの買収、さらに20世紀FOXと5年間の作品配給契約を結ぶなど新しいビジネスプロジェクトを次々に発表する。
そうしたなか9月9日には、2013年から2016年までの劇場作品のラインナップを発表した。作品は全部で12本、こちらも現在以上のハイピッチな製作体制で、積極攻勢がにじみ出る。いずれも映画も配給はこれまでのパラマウントから20世紀FOXに変わる。

2013年にまず登場するのは、3月22日公開の『The Croods』、そして7月19日に『Turbo』、11月1日に『Mr. Peabody & Sherman』だ。年3本体制を予定する。また、2014年は『Me and My Shadow』(3月14日)、『ヒックトドラゴン 2』 (6月20日)、『Happy Smekday!』(11月26日)の3本だ。
さらに2015年は、『The Penguins of Madagascar』(3月27日)、『Trolls』 (仮題)(6月5日)、『B.O.O.: Bureau of Otherworldly Operations』(11月6日)、『Mumbai Musical』(仮題) (12月19日)である。長編劇場アニメーションの年4作品公開は、ドリームワークスにとって初となる。これまでは年1作品の時もあったから急拡大と言っていいだろう。近年はディズニー/ピクサーを初めとするハリウッドメジャーのCGアニメーション製作が急増しているだけに、作品間の競争はかなり激しさを増すことになる。

さらに注目されるのは、2016年のライナップである。人気シリーズの第3作目『カンフーパンダ3』(3月18日)、そして『ヒックとドラゴン3』(6月18日)の製作が発表された。
『ヒックとドラゴン』は第1作が大ヒット、8月からはテレビアニメーションシリーズの『Dragons: Riders of Berk』も始まった。そうではあるが、2014年公開予定の『ヒックとドラゴン2』の結果を待たずに、早くも第3弾決定は、やはり野心的と言えるだろう。同作をシュレックシリーズに続く、会社の主要プロパティに育てる方針だ。

一方で、ドリームワークス・アニメーションの積極姿勢は、実際は現在の危機感の裏返しでもある。ディズニー/ピクサーと並ぶフルCGアニメーションのスタジオとされてきたドリームワークス・アニメーションだが、現在、大きな弱みがふたつある。
ひとつはいわゆるハリウッドメジャー系列に属さない独立企業であるため映画配給交渉が常に求められることだ。これは2012年にパラマウントとの配給契約が終了したことからも分かる。結局、20世紀FOXとの5年間の長期契約を結ぶことに成功したが、メジャー企業が自社系列の製作会社を優先しがちという状況は変わらない。
もうひとつは過去数年で、フルCGアニメーショ映画の製作が急増していることにある。これにはピクサーとドリームワークスの劇場アニメーションの大ヒットが影響している。成功したがゆえに、多くのライバルを生み出したという皮肉な結果でもある。数が増えただけでなく、どのスタジオも映像、脚本とも飛躍的にクオリティーを上げている。作品の差別化は難しくなり、ドリームワークスの優位性は薄れている。

こうしたなかドリームワークス・アニメーションの株価は急落。2012年は16ドルから20ドル台と上場以来の安値圏を彷徨っている。
そこで同社が狙うのが、劇場映画、米国の大手配給会社のみに依存しない体制だ。それが中国でのオリエンタル・ドリームワークスの設立、映画共同製作、テーマパーク建設計画であり、クラシック・メディアの買収である。映画では独自の配給網によるアジア展開、国内ではキャラクタービジネスへの参入を狙う。
また海外展開で今後注目されるのは、2015年に予定されている『Mumbai Musical』だろう。インドの大都市ムンバイの名前を冠していることから、これがインドを舞台にしている可能性が高い。中国と並ぶ新市場とされるインド攻略を視野に入れていそうだ。
危機をバネに変え新たなビジネスを目指すドリームワークスの戦略は、独自の配給、展開が求められる日本のコンテンツ企業にもひとつのモデルを提示しているかもしれない。

ドリームワークス・アニメーションAKG
http://www.dreamworksanimation.com/

[ドリームワークス・アニメーション 今後の公開予定劇場アニメーション]

2012年
『不思議の国のガーディアン』  11月21日
2013年
『The Croods』  3月22日
『Turbo』 7月19日
『Mr. Peabody & Sherman』 11月1日
2014年
『Me and My Shadow』  3月14日
『ヒックとドラゴン 2』  6月20日
『Happy Smekday!』  11月26日
2015年
『The Penguins of Madagascar』  3月27日
『Trolls』 (仮題)  6月5日
『B.O.O.: Bureau of Otherworldly Operations』  11月6日
『Mumbai Musical』(仮題)  12月19日
2016年
『カンフーパンダ3』  3月18日
『ヒックとドラゴン3』  6月18日
公開予定日はいずれも北米のもの