日本・ドバイ・韓国共同製作 アニメ「Scan2Go」が米国カートゥーン ネットワーク放映決定

(c)NewBoy, d-right/Team Scan2Go

アニメ企画・製作のディーライツが中東・ドバイ、韓国の企業と手を組んだアニメ・玩具が、この秋に北米進出する。ディーライツは、国際共同プロジェクト『Scan2Go』のテレビアニメシリーズが2012年9月1日朝7時より、アニメーション専門チャンネルの米国カートゥーンネットワーク(Cartoon Network)で放映開始することを発表した。
カートゥーンネットワークは、米国を代表するキッズ向けのアニメーションチャンネルで、子どもたちに対する影響も大きい。しかし、近年は他の米国の子どもチャンネルと同様、日本アニメの放映は大きく減っている。なかでも放映枠の取りにくいとされる朝から夕方の時間で、日本が関わるアニメが放映枠を獲得するのは快挙だ。

『Scan2Go』は、男児向けのスペース・アドベンチャーアニメである。カードをスキャンさせることでパワーアップするレーシングカーが登場し、アニメと共にこのレーシングカーや、スキャン用カード、レーストラックなどの玩具も展開する。
一見は、日本の得意とする玩具連動型のテレビアニメシリーズだが、ビジネスの枠組みはユニークだ。まず、日本から三菱商事系のアニメ企画・製作会社ディーライツ、海外からはアラブ首長国連邦ドバイに拠点を持つ中東の大手玩具会社ニューボーイ(New Boy)が玩具開発・製造でプロジェクトに参加する。さらに韓国の大手メディアグループのSBSプロダクション(SBS Production)、ストーンブリッジキャピタル(Stone Bridge Capital)も加わる。3ヵ国4社によるビジネスとなっている。

本作は、まず2011年よりヨーロッパ、アジア、中東の各国でアニメをテレビ放送した。同時に玩具販売も展開、大きな成果を上げた。今回は、その成功を世界最大のキッズ、玩具市場である北米に広げるべく挑戦する。
北米進出にあたっては、現地の有力玩具会社エム・ジー・エー エンタテインメント(MGA Entertainment)を玩具販売代理店とする。さらに米国のテレビ番組販売・商品化窓口として、大手エンタテインメントグループのクッキージャー エンタテインメントUSA(Cookie Jar Entertainment USA)とパートナーシップを結んだ。ここでも多国籍の取り組みをする。

『Scan2Go』で注目されるのは、日本でのビジネスが現時点で行われていないことだ。日本企業が参加するアニメの国際共同プロジェクトは、これまで日本で先行展開されることが多かった。また、海外では日本と親和性の高い東アジア、東南アジア、あるいは世界最大の北米市場をまず目指す。
ところが『Scan2Go』では、ヨーロッパや中東での展開を先行した。その実績をもとに次に北米市場に向かう。日本のマーケットに全く依存しておらず、グローバルビジネスという点で際立っている。

さらにディーライツはビジネスにおいて、本作の全世界の放映権と商品化権の窓口を担当している。つまり各国のライセンスは、ディーライツを通じたサブライセンスとなる。
日本が参加するアニメの国際共同製作では、アジア以外の放映権、配給権、ランイセンスは、パートナ相手企業が保有するケースが多い。このため北米やヨーロッパで大ヒットになっても、日本の企業の利益は、ヒットの大きさほどではないこともある。
『Scan2Go』ではこれらをディーライツが保有し、同社がグローバルビジネスの枠組み作りの中心となっている。『メタルファイトベイブレード』などで培われた同社のビジネスノウハウがここで活かされている。
昨今、アニメビジネスの国際展開の方法として、国際共同製作への関心が高まっている。そうしたなかでディーライツと『Scan2Go』は、今後の進むべき方向性を示唆していそうだ。
[数土直志]

ディーライツ http://www.d-rights.com/