小プロに集英社出資 小学館集英社プロダクション誕生 

 日本のマンガ出版を代表する2つの出版社小学館と集英社が、キャラクター・コンテンツ事業で提携する。小学館の子会社でキャラクター事業を行う小学館プロダクションに集英社が出資し、新たに小学館集英社プロダクションに生まれ変わった。
 今後両社は協力して、キャラクター・コンテンツビジネスを推進する。マンガやアニメを中心とした世界レベルでキャラクター事業も展開する。小学館集英社プロダクションの代表取締役社長は、引き続き小学館プロダクションの八木正男氏が務める。

 小学館プロダクションは1967年に、商品管理や版権管理業務を目的に設立された小学館の子会社である。その後、国内外のキャラクター商品化事業のほか、アニメやテレビ番組の企画・製作も行うようになった。
 『ポケットモンスター』や『ドラえもん』といった人気作品・キャラクターを数多く取り扱っており、2008年3月期の売上高は274億円となっている。出版社系のキャラクター事業会社では最も成功した会社とされている。

 両社はそれぞれが「週刊少年サンデー」(小学館)、「週刊少年ジャンプ」(集英社)など、ライバル関係にあるマンガ誌を複数抱える。それだけに意外ともいえる今回の事業提携だが、小学館と集英社は、もともとひとつの会社から分かれた出版社で資本関係での繋がりが深い。
 白泉社などを含めて一ッ橋グループと呼ばれ、日本出版界で巨大グループを形成している。さらに今回の提携は、北米でマンガ・アニメの事業を手がけるVIZ Mediaの成功を踏まえたものとなっている。

 VIZ Mediaは、北米でアニメやマンガ事業を総合的に展開する会社である。小学館の出資の北米子会社を核に、集英社と小学館プロダクションが出資するかたちで2005年創立した。同社は日本の大手マンガコンテンツホルダー連合として、北米で大きな成功を収めている。現在は売上高100億円まで成長している。
 今回の集英社の小学館プロダクションに対する出資は、国内でも小学館と集英社が手を組むことで、VIZ Mediaの成功を、国内そして全世界に広げるものとなる。

 3社によれば小学館集英社プロダクションの事業領域は、VIZ Mediaを通じた海外出版、アニメや実写映画化、テレビ化における企画・制作、さらにデジタル画像の流通やマーチャンダイジング、キャラクター・コンテンツの版権管理などとなる。マンガから派生する二次利用、三次利用のビジネスのほとんどが含まれているといっていいだろう。
 集英社は「少年ジャンプ」を中心に数多くの人気キャラクターを抱えるが、独自のキャラクター事業会社は持っていない。小学館プロダクションのノウハウを活かすことで、さら事業を拡大出来る可能性が高い。

 一方、VIZ Mediaにも新たな動きがある。同社は現在サンフランシスコに拠点を構えるが、この4月にニューヨークにマーケティングと商品化サポートのデザイン事務所を開設した。出版・キャラクタービジネスの中心地にオフィスを持つ意味は大きい。
 さらに今月中に、ロサンゼルス・ハリウッドにハリウッドオフィスを開設する。これは同社のハリウッド進出を視野に入れたものである。小学館・集英社が原作を持つ作品のなかには『DEATH NOTE』や『MONSTER』などハリウッドでの実写化が噂されるものも多い。こうした作品の動向も気になるところである。
 マンガ、アニメ、実写映画、海外マーケットと今後、小学館集英社プロダクションとVIZ Mediaのビジネスが、世界的に注目されるシーンが増えそうだ。

小学館集英社プロダクション(旧小学館プロダクション)
 http://www.shopro.co.jp/
小学館 http://www.shogakukan.co.jp/
集英社 http://www.shueisha.co.jp/
VIZ Media  http://www.viz.com/