米ADVがP2P利用アニメ番組配信を検討?

米国のアニメDVD情報サイトANIME ON DVDによれば、7月13日の同サイトのフォーラムへの投稿により、米国の大手日本アニメ流通業者のADヴィジョンが、BitTorrentと呼ばれるインターネット上のファイル交換ソフトを利用した日本アニメ作品の配信事業を検討していることが明らかになったと伝えている。
これは7月13日にADヴィジョンのデイビット・ウィリアム氏が投稿したものに基づいている。この投稿は、ADVがライセンスを獲得している新作アニメ『MADLAX』のプロモーションビデオの提供にファイル交換ソフトを利用して提供していることに関連するものである。ウィリアム氏によれば、こうしたファイル交換ソフトを利用した映像提供の試みは、彼の進めているさらに大きな計画の一部に過ぎないとしている。それは単にプロモーションビデオの配信だけでなく、もっと大規模なものであるという。そのうえでアニメ作品をBitTorrentを利用して正式にダウンロードすることに興味があれば意見を送って欲しいと求めている。

ファイル交換ソフトを利用したアニメ作品のダウンロードサービスが実現すればビジネス上のメリットも大きい。まず、新作アニメの作品提供のスピードのアップである。パッケージのデザインや製品を流通網にのせる必要がないことは、作品公開のスピードをこれまで以上に早くすることが可能になるであろう。これは、いち早く最新の作品をみたいという米国ファンの要望に適うことになる。
さらに、流通・製造コストが大幅に軽減することによって、これまでテレビ放映は勿論DVD販売でも利益を出すことが不可能と思われていた作品を米国アニメ市場に正規流通することが可能になる。同様に、DVDショップの棚において貰えないマイナー作品や旧作アニメの紹介・販売といった点でも大きな力を発揮する。このいずれもが、米国のファンの満足度を貢献するだけでなく、提供できる作品の幅の広がりがアニメファンの市場を拡大させることにもつながる。勿論、企業には商業的な見返りも実現することになる。
問題は作品のインターネット送信権が日本国内でもきちんと確立されておらず、権利関係をうまくまとめられるかにありそうだ。また、国境を越えたインターネットの世界で、米国だけのライセンス保有者のビジネスが、本当に自国のビジネスだけに留まるのかといった点も問題になるかもしれない。