グラフィックノベルって何だ?!

近年、日本のマンガが米国で出版され人気を呼んでいる。また、ニールセンブックスキャンのチャートではしばしば日本のマンガがグラッフィックノベル部門の上位に食い込み多数の作品がベストテンにランキングしている。しかし、このグラッフィックノベル部門とは一体どういう部門なのだろうか。
結論から言えば、米国にはグラフィックノベルと異なるコミックという分野が存在しコミック全体で考えた時にはそちらのほうが主要な市場である。実際、ニールセンブックスキャンはグラフィックノベル部門とコミック部門を別々に設けており、両者は異なるものとして扱われている。
例えば、本年4月のコミック部門の売上げベスト10は『スーパーマン』や『バットマン』、『Xメン』といった従来のスパーヒーローが連なっている。1位の『NEW AVENGERS #5』の一ヶ月の実売数はおよそ16万部、1位から10位までの実売数は16万部から8万部である。一般的なコミックの価格はおよそ2ドルから4ドルの間で、コミックチャートに日本マンガはほとんど存在しない。
一方、グラフィクノベル部門はコミック部門に較べて販売部数は多くても月間1万部程度で、通常の作品は5000部以下である。そのかわり価格が高く、およそ10ドルから20ドルの間にある。このランキングの中に『犬夜叉』や『NARUTO-ナルト-』、『るろうに剣心』といった日本の作品も見つけることが出来る。

フロリダにあるサン・センチネル紙が6月5日の“Graphic novels all about style”と題した記事の中で、グラフィックノベルとマンガ、アニメの関連について非常に判り易く説明している。記事によれば、グラフィックノベルはコミックブックではあるが本のように書棚に収納出来るものと説明している。
また、グラフィックノベルやマンガはジャンルでなく形式であり、物語を伝える手段なのだとしている。そして、グラフィックノベルとマンガ、アニメは映像と同時に物語が重要だという共通点を示している。

低価格で使い捨て感覚のコミックは日本のマンガ週刊誌、グラフィックノベルはマンガ単行本と考えれば理解しやすいのかもしれない。『少年ジャンプ』や間もなく発刊予定の『少女ビート』以外に、コミックの世界にあまり日本マンガは入り込んでいない。日本マンガは米国に進出してもマンガであり、グラフィックノベルの中でも異なった存在だと言えるかもしれない。
日本マンガは、グラフィックノベルの中に独自のマンガというジャンルを新たに築いている。例えば、『鋼の錬金術師』がグラフィックノベル部門のチャート1位になっても、日本のマンガが米国コミックに勝ったというよりも、日本マンガが米国市場の中に新たな市場を築いた結果といえるだろう。