ディズニー、デジタル・ドメイン アニメーションで中国と提携

2000年代に半ばからの政府の強力な産業育成政策により、中国のアニメーション産業が急成長している。中国のアニメーション生産量は既に日本抜き、さらに米国を越え世界最大規模になったとも伝えられる。
その一方で、指摘されるのは、作品のクオリティーの課題だ。生産量に比べて、クリエイティブ面、企画が弱く、とりわけ国際競争力が発揮出来ないという。
こうした認識は中国サイドにも強く、近年、中国の企業・団体と日本、ヨーロッパ、米国の企業がアニメ製作における提携を結ぶケースが増えている。提携をすることで、パートナー企業からクリエイティブのノウハウを吸収しようとするものだ。

この4月には、米国のアニメーション、CGを代表する2社ウォルト・ディズニーとデジタル・ドメインが相次いで、中国との提携を発表した。中国アニメーション産業と海外企業の連携活発化を感じさせる。
こうした動きは中国側にアニメーション制作ノウハウ吸収のメリットがある一方で、提携企業にも同様にメリットが大きい。パートナーシップを結ぶことで、巨大な中国市場に参入しやすくなるためだ。こうした思惑が、国境を越えた提携増加の理由となっている。

4月10日にウォルト・ディズニーは、中国文化部と同国最大のインターネット企業テンセント(Tencent)との中国のアニメーション産業振興での提携を明らかにした。3者は協力して国家アニメーション創作研究発展センター(The National Animation Creative Research and Development Cooperation)を設立する。このセンターはアニメーション分野における中国の才能ある人材を育成し、さらに国内だけでなく海外輸出可能な作品開発を目指す。
ディズニーはその経験を活かし、長期視野でオリジナル作品を制作出来る環境を開発する。当面はコンセプトやクリエイティブなストーリーの立て方、さらに市場調査に基づいたストーリー開発のノウハウを提供する。
中国文化部傘下の中国動漫集団とテンセントは開発した作品をテレビ、映画、デジタルプラットフォームで配給する。3者は、将来的にはグローバルマーケットでの協力も視野に入れる。

一方、CGアニメーション、VFXの技術で世界のトップを走るデジタル・ドメイン(Digital Domain)の発表は、北京国際映画祭の期間中4月25日にされた。
提携はふたつ、いずれも北京小馬奔騰(Beijing Galloping Horse Film)とのものだ。北京小馬奔騰は中国の映画、テレビ番組製作の有力企業として知られ、製作出資、企画・製作、制作、配給、広告などの映像関連事業を広く手掛ける。近年は、ニューメディアやアニメーションにも力を入れている。
まず、デジタルドメインは、北京小馬奔騰とのジョイントベンチャーを立ち上げる。ただし、ジョイントベンチャーの詳細は明らかになっておらず、今後細部を詰めるとみられる。
もうひとつは、デジタル・ドメインのアニメーション制作会社 トラディション・スタジオ(Tradition Studios)初の長編アニメーション映画『The Legend of Tembo』に関するものだ。北京小馬奔騰は、『The Legend of Tembo』の中国でのマーケティング・配給を担当する。中国全国に作品を紹介することになる。