日本アニメはドイツでいま(2)  ドイツのアニメ市場の現在 アニマジン社に聴く

日本アニメはドイツでいま (2)
ドイツのアニメ市場の現在 アニマジン社に聴く

■ ドイツのアニメ市場の現在

AA
ドイツのアニメ・マンガ市場全体についても教えていただいていいですか?マーケットの規模はどのくらいなのでしょうか?御社の読者数などは把握できますか?

トーマス
雑誌の発行部数は4万部です。隔月出版です。1号につき、3~5人で回し読みされているという数字はありますが、はっきりとした市場規模は把握できていません。
国内市場を知りたいと考えるドイツ国内の出版社や大手企業からも同じことを聞かれるのですが、答えるのは難しいです。

市場規模の伸長の特徴はあります。例えば、『千と千尋の神隠し』がリリースされたときには、日本のアニメに興味を持つファンの人数は一気に増えました。短期間ですが、アニメに対する購買意欲が高まります。その後には、必ずコアなファン層が残るんです。

AA
市場規模はすでに安定期に入っている感触ですか?

トーマス
安定はしていますね。アニマジックに関して言えば、来場者数は1万5000人ですが、会場の収容力が限られているため、これ以上、動員数は増やせません。
市場全体では、かつてゲーム業界でアタリショックがあって業界再建が必要だったように、アニメ業界でも同様のことが数年前に起きています。つまり、アニメ作品の粗製濫造で供給過剰となり、消費者が離れていってしまったのです。
ドイツの配給会社がすべてをライセンスすることができないほど大量の作品数でした。ファンはすべてのシリーズを買うお金は持っていませんし、作品を選ぶようになります。ドイツのライセンシーは目標販売数に届かなくなり、こうしたリスクを避けるために作品選びにも慎重になります。
今は制作される作品総数は減っていますが、海外からのライセンス自体は増えているのではないでしょうか。質問の答えに戻ると、ドイツ市場は現状、再び安定しています。

AA
アメリカ、フランスは違法配信が多くて、DVDの市場はほぼ壊滅しました、マンガも売上げが相当下がっていると言われています。ドイツではどうなのでしょか?

トーマス
マンガのセールスはドイツでは好調です。先日、ライプツィヒ・ブックフェアに行った際に、出版各社と話をしましたが、売上げは良いそうです。
アニメに関して言えば、市場のクラッシュ後は、作品のクオリティによってまちまちです。『黒執事』や『会長はメイド様!』は、よく売れています。もちろん、ドイツではあまり売れなかった作品もあります。

AA
ドイツでよく売れる作品にはどんなものがありますか?

トーマス
『NARUTO』はマンガもアニメDVDもよく売れています。『ONE PIECE』や『名探偵コナン』がこれに続きます。『ドラゴンボール』はいまも、DVD-BOXセットが発売になっています。

AA
フランスで人気の作品がドイツでも人気なんですね。逆にドイツで特に売れている作品はありますか?

トーマス
フランスではどうかわかりませんが、ドイツでは『ヴァンパイア騎士』がサプライズヒットでした。DVD販売がよかったですね。あと、やはりジブリ作品は、DVD、ブルーレイディスクの両方で強いですね。

AA
日本人は割と日本のアニメが海外で人気があるということに懐疑的で、一過性のブームで終わるのかもしれない、と考えている人も多いです。日本のアニメ、マンガは単なるブームなのか、それとも文化としてドイツに定着しているのか、どう思われますか?

トーマス
確かなことは、常にコアなファン層は存在し続けるということです。将来的には再びブームがやってくるかもしれません。ジブリ作品がヒットしたりして、マスマーケットに火が付く可能性はあります。
ファン層は薄くなったり、厚くなったりするでしょうけども。

3ページ ドイツのインターネット配信事情/ヨーロッパの中の日本企業に続く に続く