日本アニメはドイツでいま(1)   ドイツのアニメ雑誌/コンベンションの現状は? アニマジン社に聴く

日本アニメはドイツでいま (1)
ドイツのアニメ雑誌/コンベンションの現状は? アニマジン社に聴く

日本のアニメ、マンガが世界で人気を得ていると国内で報じられることが増えている。しかし、その多くはアジアやアメリカ、ヨーロッパであればフランスだったりする。人口8千万人を抱えるヨーロッパ随一の大国ドイツの状況は、まだまだ知られていない。
今回は1990年代末からドイツでアニメとマンガの雑誌「アニマニア(AnimaniA)」を発刊し、ドイツ最大のファンイベント アニマジック(AnimagiC)を運営する独アニマジン社にドイツのアニメ、マンガ事情について伺った。経営最高責任者でアニマニア編集長、アニマジック大会主催者も兼ねるトーマス・ウェーブラ氏とその共同経営者マリオ・エンダーズ氏に、最新のドイツ事情について語っていただいた。

トーマス・ウェーブラ
独アニマジン社・経営最高責任者  アニマニア編集長・アニマジック大会主催者
マリオ・エンダーズ
独アニマジン社・共同経営者

「アニマニア(AnimaniA)」  http://www.animania.de/
アニマジック(AnimagiC)  http://www.animania.de/animagic.html
2012年7月27日-29日 ドイツ・ボン Beethovenhalle

[インタビュー取材・構成]
数土直志
[取材協力・コーディネート]
ロミ

■ ドイツ最大のアニメ雑誌 アニマニア(AnimaniA)、そしてアニマジック(AnimagiC)

アニメ!アニメ!(以下AA)
ドイツを代表するアニメ・マンガ雑誌アニマニア(AnimaniA)に、それとイベントであるアニマジック(AnimagiC)」の活動から教えてください。
ドイツのアニメのメディアの状況、コンベンションの状況は、日本ではまだあまり知られていません。

トーマス・ウェーブラ(以下トーマス)
まず、雑誌アニマニア(AnimaniA)」ついてご説明します。日本のポップカルチャーを扱ったなかではドイツで一番人気のある雑誌です。アニメ、マンガ、日本文化を中心とした記事を掲載しています。
私と共同経営者であるマリオが、雑誌アニマニア、そしてアニマジックも運営しています。イベントは雑誌アニマニア主催です。

アニマジックは毎年7月末にボンで開催され、ドイツで最大の日本アニメ・マンガのコンベンションです。アニメーター、監督、プロデューサー、マンガ家などを、毎年ゲストに招いています。
サイン会などのイベントや、ワークショップやコスプレコンテスト、上映会などなどいろいろありますね。

AA
フランス、イタリアで日本のアニメが人気というのは、日本でも昔から知られていました。一方で、ドイツについてはこれまであまり語られていません。ドイツで日本のアニメが関心を持たれるようになったのはいつ頃からですか?

トーマス
フランスでは、ドイツと違って1970年代から日本アニメがテレビ放送されています。フランスではその頃から、それが日本のアニメだと知られていました。
ところがドイツでは、世界名作劇場の『アルプスの少女ハイジ』や日本アニメーションの『みつばちマーヤの冒険』などが放送されていましたが、日本製であることは知られていませんでした。
その後、『キャプテンフューチャー』や『Saber Rider and the Star Sheriffs(註1:星銃士ビスマルク)』、『1000年女王』などが90年代初頭に放送されました。90年代はじめから中頃にかけて初めてこれらが日本製だと気付いたんです。

註1:アメリカ向けに改変した「星銃士ビスマルク」の英語タイトル。

AA
アニマジックが始まったのもこの頃なのでしょうか?

トーマス
1999年です。最初は500人くらいしかお客さんが来なかったんですよ。

マリオ・エンダーズ(以下マリオ)
最初は少なかったよね…。

トーマス
年々、増えていったんです。アニマニアもこの頃に創刊されて、ページ数も少なく、白黒印刷でしたね。本当にテーマもニッチなものでしたし。今でもまだニッチなんですが。(笑)
でもそのニッチな層がどんどん厚くなっていったのです。

■ 雑誌の男女比率は、女性6割、男性4割

AA
雑誌とコンベンション、ウェブサイトもありますが、どういった順番に展開されたのですか?

トーマス
雑誌、コンベンション、ウェブサイトの順番です。ウェブはインターネットの拡大に併せてですね。2003年だったかな?当初、ウェブは非常にシンプルでアニマニアの表紙と内容紹介だけでした。
そのうち記事やニュースなども扱うようになりました。いまは普通のインターネットサイトと同じようなことをしています。
でも中心はあくまで雑誌です。雑誌の中身は日本のライセンサーによって監修を受けていますし、リサーチして書いた記事を載せたりしています。ウェブはあくまで、補足的なものです。時事的なトピックを伝えたりしています。
例えば、発売日が変更になった場合などはウェブです。最新情報で雑誌に載せられなかったものやコンベンションリポート、インタビューもあります。

AA
雑誌「アニマニア」の購読層の男女比率はどのくらいですか?

トーマス
読者の約60%が女子です。男子は40%ほどです。
コンベンションのアニマジックの方はもう少し半々に近いかな?

マリオ
はっきりとは言えないけど、半々よりは少し女の子の方が多いと思いますね。

AA
この比率には満足していますか?それとも、もっと男の子に読んで欲しいという思いはありますか?

トーマス
業界のためには、男女率が半々だったらもっといいかなとも思います。まあでも結果オーライです。トータルのセールス的には悪くないのですから。

2ページ ドイツのアニメ市場の現在 に続く