初開催 アニメ コンテンツ エキスポ 嵐の中で盛況スタート

3月31日、春の嵐が日本列島を吹き荒れるなかで、アニメ関連企業が集まった新たな大型アニメイベントがスタートを切った。アニメ コンテンツ エキスポ実行委員会が主催する「アニメ コンテンツ エキスポ2012」(通称ACE2012)である。
千葉・幕張メッセ 国際 展示ホール1、2、3を会場に、アニプレックス、角川グループ、スターチャイルド(キングレコード)など、BDやDVDの発売を手がける企業を中心に40余りの企業・団体が出展・参加する。最新の作品を紹介する企業ブース、人気声優やアニメ制作スタッフが登場する30以上のステージイベント、先行発売も含めた物販などアニメファンに向けた企画が多く、開催前から新たな大型イベントとして注目を集めていた。

3月31日は悪天候によりACE2012の会場への主要アクセスの京葉線他がストップするなど、かなり厳しい条件での開催スタートとなった。しかし、会場は多くのブース、イベントが大賑わいで、物販店では数時間待ちの列も見られた。
もともとACE2012は前売り販売を中心にし、当日券販売は少なめと、来場者の数を会場の収容力に合わせていた。前売り券は開催2日間、各日約2万5000枚を販売、初日は2万人あまりが訪れたとみられる。かなりのファンが悪天候を越えて来場した。イベントの吸引力の高さをみせつけた。
会場ではステージイベントだけでなく、各ブースのイベントからも多くの歓声が沸くなどファンがACE2012を楽しんでいる様子が見て取れた。初回のイベントとしては、大きな成功と言っていいだろう。

大賑わいのイベントではあるけれど、その設立経緯はやや複雑だ。ACEはもともと昨年3月に第1回を計画しており、3月11日に起きた東日本大震災を受けて中止になっている。イベントの企画としては、今年が2回目である。
昨年の第1回は、同時期に開催される東京国際アニメフェア2011(TAF2011)の出展をマンガ出版社などが拒否し、その結果TAFに参加しなくなった企業の受け皿として企画された。出版社の出展拒否は、東京都の青少年育成条例改正案の可決、それがマンガ表現の検閲になり、表現者を委縮させるとの意志表明によるものだ。東京都知事である石原慎太郎氏がTAFの実行委員長を務めていたことが理由である。

本年の開催の趣旨は、昨年の実現出来なかったイベントを支持してくれたファンへの感謝としている。青少年育成条例改正案には言及していない。それでもACEの会場には、今年のTAFでは見られなかった大手出版社のマンガを原作とした作品が多数みられた。また、会場に並ぶ作品は、ティーン世代のファンを中心とするものが多い。
こうした結果、コンシュマー向けにはキッズ向け中心のTAFとティーンより上の世代に向けた作品が中心のACEとふたつのイベントが並列するかたちとなっている。TAFにはさらにビジネス見本市やクリエイター育成、東京アニメアワードといった顕彰なども行っている。このためふたつのイベントは性格を大きく異にしており、対立することなくうまく共存出来るとの前向きな意見も多く聞かれる。
しかし一方で、来場数と国内出展企業を多く減らしたTAFと成功を収めたACEが与える印象は対照的だ。2013年にACEが開催されるかは定かでないが、こうした勢いの差は今後のイベント運営に微妙な影を落としそうだ。
[数土直志]