ティ・ジョイラインナップ発表 2012年にアニメ4本配給

 映画興業・配給のティ・ジョイが、アニメ映画に積極的に取り組む。3月6日、ティ・ジョイは、東京・新宿バルト9にて提携関係にあるCJ Entertainment Japanと合同ラインナップ発表会を開催した。ティ・ジョイが11本、CJ Entertainment Japanが11本、2012年に公開予定の作品を一挙に披露した。
シネコン運営の大手のティ・ジョイは、近年、新しいかたちの劇場ビジネスに強い意欲を見せている。全国200スクリーン近い興行ネットワークを活かし、ライブビューイングやイベント興行などで劇場を活性化する。また、映画興業だけなく、配給事業にも意欲を見せる。そんな配給経験がかたちになって現れたのが今回の発表である。

配給作品からは、大手配給会社とは異なる明確な編成方針も窺える。そのひとつがアニメ映画の重視である。今回発表された11本のうち4本までがアニメ映画であることからそれが分かるだろう。
作品も、今回サプライズで発表された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(カラー共同配給)、神山健治監督の最新作CGアニメ『009 RE:CYBORG』(プロダクション I.G共同配給)、大ヒットテレビアニメ『TIGER&BUNNY』の劇場版(松竹共同配給)、さらにインディーズの香りを漂わせながら、CGアニメでハイテンションギャグを繰り出す『放課後ミッドナイターズ』と粒ぞろいだ。独特の市場を形成するがゆえに難しいとされるアニメの配給・宣伝に自信を深めるティ・ジョイならではのラインナップだ。

なかでも挑戦的だったのは、『放課後ミッドナイターズ』だろう。モーションキャプチャを多用したキャラクターたちが独特の動きを見せる。原作のない完全オリジナル、フックが少なく、宣伝にとっては三重苦、四重苦と表現する。
ただし、そうした過酷な条件を潜り抜け完成した本作には、企画が実現するだけの奇妙な魅力が存在する。劇場公開は8月25日に決定した。

ティ・ジョイ全体でも目玉のひとつとなるのが、秋公開の『009 RE:CYBORG』だ。こちらもフルCGアニメだが、キャラクターは2Dアニメの伝統に根差したセルルックである。作品の説明を行ったのは共同配給のプロダクション I.Gから石井朋彦プロデューサーである。ピクサータイプでも、実写タイプでも、ゲームムービタイプでもない日本ならではのCGと自信を見せる。世界に通用する作品として、日本以外、アジア、ヨーロッパ、北米でも公開すると話した。
さらになぜ今の時代に『サイボーグ009』なのかを、2013年に戦うべき本当の敵は何かなのかとの視点から紹介をする。興行については劇場を厳選する方針とのことだ。満員のなかで観て欲しいと、ファンにとっても、興行にとっても幸せな作品ビジネスを目指す。

『劇場版 TIGER&BUNNY ‐The Biginning-』は、昨年暮れのふたつのODS興行(ライブビューイング)の成功が背景にあるようだ。今回の配給はその経験を活かすことになるが、松竹との共同配給はこれまでにあまりないパターンである。
『TIGER&BUNNY』は、様々な新しい試みが話題を呼んだ作品だ。9月に第1部が公開される本作についても、大胆かつ斬新な展開を用意しているとのことだ。ファンには楽しみになるだろう。

アニメ以外の作品も興味深い。アニメ以外は3つのパートに分かれる。「一般映画」、「ゲキシネ」、「合作映画」である。「ゲキシネ」はティ・ジョイの力を入れるライブビューイングなど、従来の映画上映とは異なる劇場の活用につながっている。
合作映画は、日中の『明日に架ける愛』、日韓の『道 白磁の人』である。今回の発表が韓国系のCJ Entertainment Japanとの合同であるように、ティ・ジョイがアジア地域のビジネスへ強い関心を持っていることが分かる。配給・興行という立場からいかにアジアにビジネスを展開するのか、ティ・ジョイは今後も目を離せない会社だ。
[数土直志]

ティ・ジョイ http://t-joy.net/