タツノコプロをタカラが買収

 1962年に設立されアニメ制作会社の老舗として知られる竜の子プロダクションが玩具会社大手のタカラに買収されることになった。タカラは同社の株式の88%を取得し、取得価格は十数億円程度になるという。

 これによりタカラと来年3月にタカラと合併を予定している玩具会社トミーはキャラクタービジネスを一気に強化することになる。両社は、タカラが子会社にアニメ関連企業ブロッコリーを所有するほか、タカラの大株主インデックスがアニメ制作会社マッドハウスを所有し、同社の出版子会社インデックス・マガジンズが7月にアニメ雑誌アニメーションREを発売するなどグループの中で急激にアニメビジネスを拡張しつつある。
 9月にタカラ、トミー、インデックスの出資により設立されるタカラトミーネットワークスはキャラクタービジネスの戦略会社と位置づけられているが、ライバルのバンダイグループに較べるとキャラクターのラインナップが弱かった。今回、幅広い年代に根強い人気を持つ『タイムボカンシリーズ』や米国でも人気の高い『科学忍者隊ガッチャマン』、『マッハGOGOGO』、『新造人間キャシャーン』といった作品の権利を持つ竜の子プロダクションを取り入れることで、新会社のキャラクターラインは大幅に強化される
 
 今回の買収に伴い7月1日づけでタカラから田中修一郎氏が取締役として竜の子プロダクションに派遣された。また、タカラから同社会長の佐藤慶太氏と長澤隆之氏が竜の子プロダクションの非常勤取締役に就任する。オーナー社長であった吉田豊治氏ほか創業者一族の取締役3名が退任することになり、同社の経営から創業者一族が姿を消すことになる。新会社の社長には成嶋弘毅専務が昇格する。 
 竜の子プロダクションは歴史あるアニメ制作会社の中では数少ないオーナー企業であったが、自社ビジネスの縮小と急激に進むアニメビジネスの産業化の中での会社売却の決断といえるだろう。
 アニメビジネスにメディアミクスが不可欠になっている現在、アニメ制作会社が単独で生き残るには従来と違う戦略が必要になりつつある。また、ビジネス展開を広げるためには、どういったパートナーと組むかも重要性を増している。今回、創業者一族の手を離れることになった竜の子プロダクションはそうした時代の流れを象徴しているといえる。