米国バンダイエンタテイメント 北米BD・DVD発売事業撤退

 バンダイナムコグループの米国法人バンダイ・エンタテインメント(Bandai Entertainment Inc.)が、北米でのBlu-ray Disc、DVD、マンガの発売から撤退する。
 2012年2月以降、新規タイトルの発売を停止、アニメ作品のライセンス販売・管理、既存のタイトル商品の流通に事業を集中させる。同社は2011年12月末に自社直営オンラインストアの営業も終了している。

 バンダイ・エンタテインメントは1998年に設立、現在は、Namco Bandai Holdings (USA)の子会社である。長年、北米におけるアニメ映像パッケージの企画、制作、販売、アニメのライセンス管理に携わってきた。『カウボーイビバップ』や『天空のエスカフローネ』、「攻殻機動隊」シリーズ、『涼宮ハルヒの憂鬱』などのヒット作がある。
 しかし、2000年代半ばをピークに北米でのアニメ映像パッケージ市場が急縮小し、その影響を受けていた。リスクの高い発売(Publising)から撤退し、事業の立て直しを目指すことになる。

 バンダイ・エンタテインメントの発売事業撤退は、北米の日本アニメビジネスの環境変化を示していそうだ。インターネットの急激な普及、アニメファンのボリューム層の嗜好の変化などから2000年半ば以降、パッケージ事業は大きく落ち込み、発売から徹底する企業が相次いでいる。
 2007年には当時業界第3位であった日系のジェネオン・エンタテインメント(USA)がやはりパッケージ事業を停止した。また、A. Dビィジョン(A.D. Vision)、マンガ・エンタテインメント(MANGA Entertainment)、セントラルパークメディア(Central Park Media)などもアニメライセンスの獲得、映像パッケージの発売を停止している。
 一方、市場では、ファニメーション(FUNimation Entertainment)が市場シェアを高めている。また、翻訳マンガ出版から進出したVIZ Media、日系のアニプレックス(USA)、NISアメリカ、旧A. Dビジョンのスタッフが設立するセンタイフィルムワークス(Sentai Filmworks)など2000年代以降に事業をスタートした企業がパッケージ発売を手がける。
 こうした企業は近年は、インターネットでの配信ビジネス開発や新たな商品流通形態に積極的に取り組む。バンダイ・エンタテインメントも、今後は配信やこれらの企業との協業などの新たなビジネスを目指すことになりそうだ。

 一方、バンダイナムコグループ全体の動向が注目される。バンダイナムコホールディングスは、海外ビジネスの拡大を掲げており、北米でのアニメ事業を今後も進めるとみられるからだ。
 グループは北米にゲーム事業のナムコ・バンダイ・ゲームス・アメリカ、アミューズメント事業のナムコ・アメリカ、玩具・キャラクター事業のバンダイ・アメリカを持つ。ナムコ・バンダイ・ゲームス・アメリカは、現在CGアニメ映画『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』を手がけている。
 さらに国内で発売される『機動戦士ガンダムUC』のBDは当初より多言語対応しており、日本で発売したBDを海外流通させることも可能だ。グループ力を活かし、これまでのアニメビジネスの枠を破る新たな展開の可能性もある。

バンダイ・エンタテインメント(Bandai Entertainment Inc.)
http://www.bandai-ent.com/