多様化するアニメと劇場の関係 2012年劇場アニメは?

[映画フォーマットを解き放つアニメ イベント上映]

 2011年の劇場とアニメの関係で特に印象に残ったのは、劇場上映形式の多様化である。すでに上映劇場数を絞った小規模公開は、定着している。これまで小規模公開を得意としてきた配給会社だけでなく、角川映画や松竹といった大手配給会社が継続的にこうした公開を行い、ビジネスとしての認知度が向上している。
 2011年にはイベント上映のトレンドが加わることで、さらに多様化している。イベント上映は、劇場映画としてでなく、テレビシリーズやOVAを定められた期間上映するものだ。ビジネス区分では、劇場公開とイベント上映には厳密な違いがある。
 ところが小規模劇場公開の増加と盛況、イベント上映の大規模化が同時に進んだ結果、両者の区別は極めて曖昧になっている。少なくとも劇場に足を運ぶファンには、あまり意味のない区別だ。一方で、小規模な公開より、さらに機動性が高い上映方法としてイベント上映が活用されるようになっている。
 2011年で言えば、『トワノクオン』6部作、『UN-GO episode:0 因果論』などを挙げることが出来る。『トワノクオン』ではテレビに替わるファーストウィンドウとして、『UN-GO』ではテレビ放映との同時展開、ウィンドウの多角化戦略に利用されている。
 
 イベント上映で注目されるひとつは、バンダイナムコグループの動きだ。イベント上映の最も大きな成功例は、2010年にスタートした『機動戦士ガンダムUC』だろう。テレビでも映像パッケージでもなく、まず劇場という戦略が当たった。
 2010年からの『ブレイクブレイド』6部作、2011年の『トワノクオン』は、バンダイビジュアルが映像パッケージを手掛ける作品だ。イベント上映の新しい試みに、バンダイナムコグループの名前が多い。
 2012年の作品で同グループが関わる作品は、『機動戦士ガンダムUC』のほか、特別編集版『セイクリッドセブン 銀月の翼』、『英雄伝説 空の軌跡 THE ANIMATION 第2部』、『スクライド オルタレイション 後篇 QUAN』、『宇宙戦艦ヤマト2199』と現段階でも目白押しである。
 アニメ発表の場としてバンダイナムコグループが戦略的に劇場活用を進めている。さらにバンダイナムコグループは、2011年秋には『TIGGER&BUNNY』のODSイベントでも成功を収めており、アニメと劇場の関わりではリーディングプレイヤーとなっている。

[ODSとアニメイベントの可能性]

[個性的な作品群: ヱヴァ、細田守、神山健治] 
[台頭するフルCGアニメーション]