アニメ配信クランチロール 有料会員約7万人で採算ベース

 2009年からスタートした、日本アニメの海外向け同日配信ビジネスが拡大している。同日配信ビジネスの先駆けとなった米国クランチロール(Crunchyroll)の有料会員数が約7万人なっていることが明らかになった。これは同社と提携するテレビ東京が、11月24日の社長記者会見で言及したものだ。
 テレビ東京によれば、現在のクランチロールの有料会員数は7万人弱、採算ベースに乗っているという。2010年夏には有料会員は3万人程度と見られていたため、過去1年間に大幅に会員数を伸ばしたことになる。また、同社はサービス開始以来、赤字が続いていたが、経営収支も改善に向かっていることになる。

 クランチロールは米国のベンチャー企業としてスタート、日本アニメの動画共有サイトから動画配信・コミニティサイトにビジネスを移行し現在に至る。テレビ東京と提携し、2009年1月から『NARUTO』などの英語圏同日配信をスタート、現在の日本アニメの海外向け配信事業を開拓した。
 海外配信はアニメビジネスの新しい収入モデルであると同時に、インターネットに多い違法配信をなくすことを目指したものでもある。テレビ東京はこの点でも、クランチロールが相当な成果を挙げているとしている。
 クランチロールを含む複数の企業が海外向けのアニメ配信を増加させるなかで、最近は英語圏でファンサブと呼ばれる違法配信の減少を指摘する関係者は少なくなかった。テレビ東京の発言は、こうした情況を裏付けるものとなる。

 テレビ東京は、12月1日からは英語圏に加え、中国大陸でも日本アニメの同日配信を開始すると発表している。これもクランチロールでの経験が、大きな推進力となったと考えていいだろう。英語圏と並び違法配信が多い中国語圏での違法行為抑止を目指す。
 12月からの中国向け配信は、日本の放送から約1時間後と違法アップと自主翻訳の時間を与えないスピードとなる。当初配信作品は『NARUTO-ナルト-疾風伝』、『BLEACH』、『SKET DANCE』のほか、4作品から5作品を検討している。
 中国での配信は大手動画サイト土豆を通じたもので、広告収入で利益を確保する。英語圏と同様に、アニメビジネスを支える新たな収入には不十分であるため、今後は収入拡大が課題になるだろう。

テレビ東京 http://www.tv-tokyo.co.jp/