CEDEC2011レポート アニメとゲームをつなぐ架け橋    ――金田伊功氏の業績を中心に 1


《金田氏の存在意義》
 ひととおり業績の紹介が終わった後、遠藤氏と時田氏で金田伊功氏がゲームの世界に残したものというテーマで対談が続いた。印象に残った話題は以下の3つである。

(1)亡くなった後に「金田伊功」でネット検索すると、アニメの仕事はたくさん出るのにゲームは限られた情報しか出ない。ゲームの仕事も記録としてきちんと残すべきだ。

(2)金田氏の手がけてきたアニメ的演出、独特なパースやデフォルメは、歌舞伎の「見得」などに通じる日本文化に脈々と流れているもの。「型」や「間」など様式美のひとつとして継承すべきである。ゲーム、CGも技術的にそれが可能なところまで来ている。

(3)金田氏はどんな仕事にも文句を言わず、「楽しんでやったもの勝ち」というやり方を率先して体現し、ポジティブに取り組んでいた。時田氏はそれにものすごく勇気づけられ、影響も受けている。ジャンルや世代の垣根を超えて、金田氏の仕事の仕方や姿勢を継承したい。
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 突然の物故から2年過ぎ、この10年間に金田伊功氏が取り組んでいたゲームの全容がようやくつかめた。それはやはり「アニメとゲームをつなぐもの」として重要なものであり、最先端の乗り越えるべき課題への取り組みを多くふくんでいたことが分かったのは大きな収穫だった。これは楽しんでやってる仕事だなとは思っていたが、こうしてその楽しさや意義深さの一端が証言として聞けたことはファンとしても嬉しく、また何よりの供養にもなると思う。
 なお、今回開催された他のアニメ関連の講義・講演についても、関連するもの、印象深いものを以下に紹介していこう。

■ マルチカメラパラメータを用いた映像誇張方法の提案/■ アニメのエフェクト、ゲームのエフェクトに続く