CEDEC2011レポート アニメとゲームをつなぐ架け橋    ――金田伊功氏の業績を中心に 1

《手づけのCG映像》
 2002年の帰国後、金田伊功氏は『ファイナルファンタジーXI』に参加。キャラクターの紹介シーンのディレクションを行う。会場ではガルカというキャラのムービーが流れたが、モーションキャプチャのデータやカメラデータを修正したそのアクションは、まぎれもなく金田アクション。時田氏も『サイボーグ009(79年版)』オープニングアニメの005を連想させる重みを感じさせる動きだと語っていた。

《半熟英雄対3D(2003年)》
 PS2用ギャグ系シミュレーションRPG。シリーズ第3作目は時田氏のプロデュースで、金田氏の参加を大前提に「2Dキャラが3Dの敵キャラに戦いを挑む」というトリッキーなコンセプトが誕生した。実は問題となって悩んでいた3Dのコストカットごと笑いに転化するという意図もあったという。
 金田氏は2Dパート、3Dパートと別制作された素材をハイブリッド化し、ひとつのムービーとしてディレクション。特にオープニングとエンディングは、絵コンテ、レイアウト、原画を担当して「金田アニメ」全開となっている。エッグモンスターのゲーム用リアルタイム2Dアニメーションとしても原画を描き、さまざまなアイデアを出し、時には社員たちとコーラスを吹きこむなど、非常に家族的な雰囲気で仕事を楽しんだそうだ。
 2Dと3Dをなじませようという意見に対し、「闘っているんだし、はっきり分けた方が分かりやすい」と反対したこと、ゲーム上の動きのタイミングをプログラマがなめらかにしたとき、「もっとメリハリを」と要求してアニメで言う「中なし」のようにして緩急をつけたなどのエピソードが印象に残った。



《武蔵伝2(2005年)》
 PS2用アクションRPGで、金田氏はオープニングムービーのコンテを担当。そのアニメーション制作はGAINAXで、直後に『天元突破グレンラガン』を監督する今石洋之氏が原画を手がけ、金田アクションにおける新旧コラボレーションが実現したという。


《エッグモンスターヒーロー》
 低年齢層を意識して「半熟シリーズ」をニンテンドーDSへ移植したRPG。エッグモンスターなどはPS2のデータを流用しているが、DSの画面を縦にして見開きの本に見立てた「エンディングコミック」という漫画形式の止め絵を金田氏が担当している。
 金田氏はもともと漫画家志望で、オリジナルの漫画作品『バース』も手がけた。幼児誌向けに絵物語を描いていたこともあり、かわいいキャラも得意だった。初公開というその画面からは、鋭いアクションだけではない金田氏の優しい感性がよく伝わってきた。
 ゲームが決してハイレゾリューション方向だけに進化しているわけではなく、漫画というアナログ的なものをドット絵で表現するものも含む。そこに金田氏のようなベテランの才能がジャストフィットしたという話も非常に興味深い。

《半熟英雄4 7人の半熟英雄(2005年)》
 シリーズ第4作目で、金田氏は企画段階から参加。オープニングアニメ以外にも、イメージボードとムービーディレクター、エッグモンスターデザインとアニメーションなど、全体的に関わっている。ボードやデザインの絵には、オマージュとして『七人の侍』を筆頭に『秘密戦隊ゴレンジャー』『鉄人28号』など金田氏の好きなネタがふんだんに盛り込まれていて、思わずニヤリとさせられる。

3ページへ