アニメと車が出会う「輪廻のラグランジェ」製作発表 日産がメカデザイン

 世界的な自動車会社が、新作アニメに大きく関わる。2011年10月16日に、横浜の日産自動車グローバル本社で2012年1月スタートの新作テレビシリーズ『輪廻のラグランジェ』の製作発表会が開催され、新たに番組に登場するロボットが公開された。
 日産はウォクス・シリーズと呼ばれる主人公たちが乗るロボットやそのコクピットをデザインするほか、敵の主要メカも手がける。そのデザインはグローバルデザイン本部の社内デザインコンペ60案以上から選ばれたものだ。これまでにない新たな感性をロボットアニメに投げかける。

 『輪廻のラグランジェ』は、国内を代表するアニメスタジオ プロダクション I.Gが原作・制作協力、アニメ制作をXEBECが担当する。また、総監督に『機動戦艦ナデシコ』の佐藤竜雄さん、監督に『蒼穹のファフナー HEAVE AND EARTH』の鈴木利正さん、さらに『交響詩篇エウレカセブン』などの菅正太郎さんと新時代のロボットアニメを切り拓いてきた実力派スタッフが並ぶ。
 そうしたなかでなぜリアルの世界で車のデザインを手がける日産によるロボットが実現したのだろうか。これについてプロダクション I.Gの石川光久社長は、「アニメは世界で戦える映像コンテンツ、そして日産は長年世界で戦ってきた会社」と語る。世界で通用するふたつがつながるのは必然なのだという。
 また、日産のチーフクリエイティブオフィサーの中村史郎常務は、「車のデザインもロボットのデザインも変わらない。エンタテイメント性でつながっているクリエイティブ産業」という。そして「(日産の新車)JUKEはアニメっぽいよね」と話す場面も。今回のコラボレーションについては、「アニメも車も世界で認知されること、アニメも車も面白くなる。それが車産業の枠を超える」とその意義を強調する。

 競争の激しいコンペを見事に勝ち抜いた日産のデザイナー大須田貴士さんは、「日産でロボットをデザインするとは思わなかった」と話す。また、デザインについては「飛行形態と変形後のロボット形態とのオーダーがあり、あとは自由だった。車のデザインが出て来てしまうが、それが求められると考えた」と創作の過程を紹介した。
 それが、現在の曲線が強調されたウォクスとなった。佐藤総監督によれば「ロボットありきの作品」、ロボットからストーリー、世界観を広げていると説明し、日産のデザインが作品の中核をなしていることが分かる。

 『輪廻のラグランジェ』は、千葉県・鴨川というローカルな場所から宇宙に広がる作品だという。その鴨川を舞台にした作品は、世界で活躍する日産とプロダクション I.Gの手によって、グローバルに広がるかもしれない。2012年の注目のアニメのひとつと言って間違いないだろう。

『輪廻のラグランジェ』 http://lag-rin.com/

原作・制作協力: Production I.G
総監督: 佐藤竜雄
監督: 鈴木利正
シリーズ構成・脚本: 菅 正太郎
脚本: 森田 繁、野村祐一、大野木 寛、待田堂子、梅原英司
キャラクター原案: 森沢晴行
キャラクターデザイン: 乘田拓茂、小林千鶴
オービッドデザイン: 日産自動車 グローバルデザイン本部
[大須田貴士/菊地宏幸/村林和展]
メカ総作監: 松村拓哉
CG制作: グラフィニカ
プロップデザイン: 原 由知
美術監督: 渡辺三千恵
色彩設計: 関本美津子
撮影監督: 青木 隆
3Dディレクター: 白井宏旨
編集: 坂本久美子
音響監督: 明田川 仁
音楽: 鈴木さえ子、TOMISIRO
アニメーション制作: XEBEC
製作: ラグランジェ・プロジェクト