タカラ、トミーが経営統合か?交渉開始明らかに

 玩具業界第2位のタカラと第3位のトミーは合併もしくは経営統合を目指した交渉を行っている。しかし、12日午後、両社は交渉の事実はあるが現段階では決まったことはないと発表している。
 両社が合意に達することが出来れば、売上高世界第4位の玩具企業が国内に誕生することになる。また、今年4月に発表された国内玩具業界1位のバンダイとゲームソフト業界3位のナムコの経営統合に続く、エンターテイメント業界の大型再編となる。売上高は1800億円となり玩具業界ではバンダイに次ぐ第2位、玩具部門のみに限ればバンダイと並ぶ規模となり、玩具業界は事実上2強体制に再編されることになる。

 また、両社の経営統合が実現すれば、『ポケットモンスター』から『トランスフォーマー』、『デジキャラット』、『ディズニーキャラクター』といった商品がグループで提供可能になり商品ラインナップが大幅に拡大する。しかし、両社の経営で最も注目すべきは、事業の相互補完関係より規模の拡大による事業効果があることである。
 バンダイとナムコの経営統合は、玩具とゲーム、アジア・ヨーロッパ市場と米国市場という事業分野の重なりが少ない相互補完的なものである。一方、タカラとトミーの場合は両社とも事業の中心が児童向け玩具となっている。
 事業規模の拡大により新会社は、問屋や小売店といった販売会社に対する影響力を強めることも可能になるだろう。また、流通部門やバックオフィス部門が統合出来れば経営の効率化が可能になる。

 しかし、両社の経営統合は楽観的なものばかりではない。両社は会社規模が近い水準にあり、経営統合した場合の経営主導権がどちら側に行くかという問題があるからだ。実際に、完全な対等合併の成功例はビジネスの世界では少ない。会社の規模でいえばタカラの方が歴史的に大きな会社としてみなされて来たし、現在でも業界第2位の会社である。一方、トミーは急成長により単体での企業規模でタカラに近づきつつある。近年は業績の低迷しているタカラに対して、トミーの業績は好調という違いもある。
 両社が佐藤慶太会長(タカラ)、富山幹太郎社長(トミー)というオーナー経営者に引っ張られて来た会社だけに、経営統合後の経営がどういったかたちになるかが今回の交渉の成否を握っているといえるだろう。
 
 今回の動きは先に発表されたバンダイ・ナムコの経営統合が、両社の交渉に影響を与えた可能性は強い。昨年まではゲームソフト業界を中心に行われてきた企業間のM&Aであるが、今年に入り一気に玩具メーカーに広がった感じである。こうした相次ぐM&Aは両社を含めた他の企業の焦燥感を煽ることになる。今後も周辺業界企業を巻き込んだ再編が続く可能性が高いといえるだろう。

世界の主要玩具会社の売上高

マテル(米)     5360億円
(バンダイナムコ) 4580億円
ハスブロ(米)    3150億円
バンダイ       2670億円
(タカラとトミーの合算) 1800億円
レゴグループ(独) 1070億円
タカラ        970億円
トミー        820億円
エポック       138億円