巨大エンタメ企業登場 バンダイ、ナムコが経営統合へ

 国内玩具メーカー最大手のバンダイと国内ゲームソフト業界第3位のナムコは、本年の9月29日を期日に共同持株会社バンダイナムコホールディングスを設立すると発表した。持株会社設立後は両社の株式は新会社の株式と交換され、両社は新会社の傘下に入ることになる。
 両社の発表によると、今回の経営統合は経営環境の変化と競争の激化の中で両社の経営統合により企業価値の向上を目指すためだという。また、バンダイの強みであるキャラクターマーケティングとナムコの強みあるゲームコンテンツとゲーム開発力が総合補完関係にあり相乗効果を発揮するとしている。

 持株会社と両社の株式交換比率はバンダイ株1に対して新会社株1.5株、ナムコ株1に対して新会社株1株の比率となる。新会社の代表取締役社長にはバンダイ高須武夫現社長(5月2日付でバンダイ会長)、会長にはナムコの高木九四郎副会長が予定されている。
 また、バンダイは今回の経営統合と同時にナムコの創業者中村雅哉氏とその資産管理会社からナムコ株700万株(発行済株式の6.3%)を買い取ったことを発表した。新会社の経営には、中村氏は関与しないとみられる。ナムコは先に中村氏の強い意向で買収した映画会社日活をUSENに売却しており、経営統合を期に中村氏のナムコの経営に対する関与は大きく低下しそうである。 

 両社の事業は非常に近い分野であるにもかかわらず、バンダイの玩具やアニメを中心とした映像制作・流通、キャラクター事業に対して、ナムコはゲームソフト、事業用ゲーム機器と重なる分野が少なく理想的な組み合わせだといえる。勿論、そうした外部条件が経営統合の成功を必ずしも保証するものでないが、大きな可能性を秘めている。
 また、両社とも玩具業界、ゲーム業界ではそれぞれ大手企業であるが世界市場、あるいは国内のインターネットも含めたコンテンツ企業の中では多くの企業のひとつに過ぎない。コンテンツ企業間のM&Aが増加する中、時価総額を上げることで敵対的買収から会社を守るといった点でも意味がある。

 当面は、バンダイ、ナムコが持株会社の下につながるかたちとなるが、将来的には持株会社の下で、事業ごとに企業再編が行われる見通しである。事業再編の方向性は、トイ事業を中心としたトイホビーグループと、ゲームソフト事業を中心としたコンテンツグループ、施設運営を中心としたアミューズメントグループの3つが掲げられている。例えば、バンダイのゲームソフト事業とナムコの統合や両社のオンライン事業部門の統合などが考えられるだろう。こうした、事業再編はセガサミーの統合後の事業再編も参考になるだろう。
 ゲーム関連業界では一昨年のスクウェア・エニックス、昨年のセガサミーの合併、経営統合に次ぐ大型M&Aになる。相次ぐ巨大企業の登場により、今後残されたゲームソフト企業が異業種エンターテイメント企業を巻き込んださらなる再編に進む可能性が高まってくるだろう。