ジャンルを超えるCEDEC ソーシャルゲーム取り込み盛況

 9月6日から8日まで、パシフィコ横浜でCEDEC(コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス)2011が開催された。13年前にコンピューターゲーム開発者の情報交換の場として始まったCEDECは、多くの専門家のニーズを受け年々規模と存在感を拡大している。
 開催期間中に設けられる講演、シンポジウムなどなるセッションの数も、本年はおよそ200にも及ぶ。また、CEDECAWARDSの開催や同時開催の「『ゲームのお仕事』業界研究フェア2011」、co-located eventなど関連イベントは、CEDECがゲーム業界のハブとして求心力を発揮している表れだ。同じ9月に開催される東京ゲームショウと並び、国内のゲーム業界を代表するイベントと言っていいだろう。

 その一方で今年のCEDECは、従来のゲーム機やパッケージソフトを中心としたゲームビジネスからの脱却を図っている。本年よりイベントの名称が、略称のCEDECはそのままに、正式名称をコンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンスに変更したことはあまり知られていない。そのタイトルだけからは、CEDECがコンピューターゲームのイベントであることは感じられない。
 むしろこのタイトルはCEDECが、従来のゲームの枠を超えて周辺隣接領域を積極的に取り込んでいく意志を表明しているように見える。

 そして、周辺領域のなかでもその存在感が際立ったのは、ソーシャルゲームであった。近年はパッケージソフトの売上げ不調とソーシャルゲームの市場拡大で、大手ゲーム企業のソーシャルゲームシフトは急激に進んでいる。そんな雰囲気を開発の現場も反映しているのだろう。
 運営の面ではこの分野の2大企業、DeNAとGREEが、プラチナスポンサーになっている。また、セッションの中には、ソーシャルゲームを扱ったものが数多くみられた。それは時代が大きく変わり始めていることを感じさせた。
 少し意外だったのは、そうした会場の様子にまるで違和感がなかったことだ。コンソール向けのゲームソフトとソーシャルゲームは、ユーザーや技術、ビジネスモデルも相当違うはずだがそこに分断は感じられない。むしろ、従来のゲーム産業は積極的にアプローチし、ソーシャルゲームの知識を吸収しようとしている。こうしたゲーム関係者の素早い動きには、今後のゲーム産業のポジティブな未来が潜んでいるのでないだろうか。2011年のCEDECは、そんな今後の日本ゲーム産業を予感させる場であった。

 主催者は、既に来年の開催日程も明らかにしている。2012年も今年とパシフィコ横浜会議センターで、8月20日から22日の3日間の日程を予定する。本年よりも、2週間余り繰り上がるかたちだ。
 2011年は9月6日から8日までのCEDEC、9月15日から18日までの東京ゲームショウ、さらにその日程と重なったアミューズメントマシンショーとゲーム関連のイベントが集中した。しかし、2012年は、より余裕を持った日程となりそうだ。
[数土直志]

CEDEC2011  http://cedec.cesa.or.jp/