CEDEC AWARDS最優秀賞5部門発表 日野晃博氏ら受賞

 コンピュータエンターテインメント協会(CESA)とCEDEC AWARDS 2011ノミネーション委員会は、パシフイコ横浜で行われているCEDEC 2011にて本年のCEDEC AWARDS 5部門の最優秀賞を発表した。また、先に発表されていた特別賞、著述賞とともに授賞式を開催した。
 CEDEC AWARDSは、コンピューターエンターテイメント開発の5分野からそれぞれ大きな功績のあった開発者を顕彰している。本年はプログラミング・開発環境部門からUnityエンジン開発チーム(Unity Technologies)、ビジュアル・アーツ部門からストリート ファイターIVシリーズデザインチーム(カプコン)、ゲームデザイン部門から日野晃博氏(レベルファイブ)、サウンド部門からCRI ADX2開発チーム (CRI・ミドルウェア)、ネットワーク部門からAmazon EC2/S3(Amazon Web Services LLC)がそれぞれ選ばれている。

 アニメ業界から注目されるのは、ゲームデザイン部門の最優秀賞日野晃博氏だろう。受賞の対象となった「メディアミックスを前提とした相互補完的コンセプトワーク」は、ゲームとアニメの連動も含まれているからだ。選考理由では『イナズマイレブン』と『ダンボール戦機』でのテレビアニメとの同時進行が筆頭に挙げられ、さらにスタジオジブリが作画に参加した『二ノ国 漆黒の魔導士』の書籍とゲームの融合にも言及する。
 ゲームとアニメのクロスメディア展開は、これまでも数多く行われている。今回はその仕組みを最大限に発展させた日野晃博氏を顕彰することで、ゲームとアニメの連動をゲームデザインの優れたかたちとして認めたものと言えるだろう。

 同様に特別賞の田尻智氏(ゲームフリーク 代表取締役)、石原恒和氏 (ポケモン 代表取締役社長)も、『ポケットモンスター』を通じてアニメとまた近しい関係にある。『ポケモン』と『イナズマイレブン』という新旧のメディアミックスの試みが並んだのは興味深い。
 日野晃博氏は、本年はガンダムシリーズの最新作『機動戦士ガンダムAGE』へのスタッフ参加が既に発表されている。ゲームデザインからアニメ作品のグランドデザインに乗り出した、今後の活躍が期待される。

 ゲームデザイン部門だけでなく、他の4部門からもCEDEC AWARDSの多彩かつユニークさが窺われる。特に専門技術を評価するのは、他のゲーム賞では見られない特徴になっている。
 また、著述賞の中嶋謙互氏は、オンラインゲーム開発技術の本格的な技術書の著述に対しての受賞となっている。コンソール機向けゲームや携帯機向けゲームだけでない幅広い分野をカバーしたいとのCEDEC AWARDSの意図が理解出来る受賞だ。

CEDEC  http://cedec.cesa.or.jp/

CEDEC AWARDS 2011

特別賞
田尻智  (ゲームフリーク 代表取締役)
石原恒和  (ポケモン 代表取締役社長)
「遊びの本質を見失わず、かつ、たゆまぬ進化を続ける本格的なゲームデザイン」

著述賞
中嶋謙互
「オンラインゲーム開発技術を取り扱った、本格的な技術書の著述」

最優秀賞

■ プログラミング・開発環境部門
Unityエンジン開発チーム (Unity Technologies)
「ホビーからプロフェッショナルまでゲーム作りを支援し開発者の裾野を拡大」

■ ビジュアル・アーツ部門
ストリート ファイターIVシリーズデザインチーム (カプコン)
「リアルタイムNPR表現の一つの完成形」

■ ゲームデザイン部門
日野晃博 (レベルファイブ)
「メディアミックスを前提とした相互補完的コンセプトワーク」

■ サウンド部門
CRI ADX2開発チーム (CRI・ミドルウェア)
「ゲーム機における音質とサイズ、デコード速度の問題を解決」

■ ネットワーク部門
Amazon EC2/S3 (Amazon Web Services LLC)
「先進的かつ高信頼なクラウド環境の日本市場への提供」