メディア芸術総合センター白紙撤回 大臣代替案を要請

 主要各紙の報道によれば、鳩山内閣の新文部科学大臣に就任した川端達夫文科相は、2009年度中に整備着手を予定する国立メディア芸術総合センター(仮称)建設の白紙撤回を明らかにした。
 同施設の整備は補正予算に、117億円の建設費・建設地購入予定費とともに計上されていた。国立メディア芸術総合センターは、アニメ、マンガ、ゲーム、メディアアートの総合施設として計画されていた。建設撤回は、鳩山内閣が掲げる補正予算の見直し事業に盛り込まれる予定だ。 

 国立メディア芸術総合センターは、構想浮上の当初から「アニメの殿堂」、「国立マンガ喫茶」などと当時野党であった民主党から厳しく批判されて来た。特に巨大な施設の建設計画が、施設の機能や運営体制に先立って決定するなど、施設の必要性とは別にハコ物行政の象徴として矢面に立った。
 今年8月には、設立準備委員会によって施設の内容や運営についてまとめられた。しかし、施設の白紙撤回は民主党の公約とも受け止められ、政権交代後に建設の見込みはないと見られていた。今回の大臣の発言はそれを裏付けるものになった。

 しかし、報道によれば川端文科相は、国立メディア芸術総合センターの建設を否定する一方で、いわゆるアニメなどのメディア芸術分野の重要性は認めた。ハコ物建設に変わる人材育成などの新たな関連産業の振興策の検討を指示したと伝えられている。
 政権は交替したものの、アニメやマンガ、ゲームなどが国内の産業や文化に与える役割の大きさに対する認識は維持されたようだ。政権交代によるポップカルチャー分野の産業政策の後退を懸念していた関係者にとっては、胸を撫で下ろせるものとなるだろう。

 一方で新たな産業政策については、民主党の方針に沿ったものになるだろう。従来以上に人材育成や中小企業の育成に重点を置いたものとなる可能性が大きい。
 記者会見の中で川端文科相は、アニメ製作の際にスポンサーの支払う提供料と実際にアニメ制作会社へ支払われる制作費のギャップや、アニメ業界で若手の人材の離職率が高いことに言及したと伝えられている。

新文部科学省 http://www.mext.go.jp/