米国アニメ雑誌ANIMERICA フリーマガジンに衣替え

 先頃、事業再編を行った小学館系の米国出版社ビズメディア(VIZ media)が発行する人気アニメ雑誌『アニメリカ(ANIMERICA)』は、現在の雑誌を大幅にリニューアルすると発表した。アニメリカは、2つのタイプの雑誌に生まれ変わる。ひとつは、米国で開催される大手アニメイベントごとにカスタマイズされた雑誌で各コンベンション会場においてファンに無料配布される。
 もうひとつは、4半期ごとに米国の大手書店ボーダーとウォルデンロックの店頭で無料配布されるダイジェスト版である。こちらは本年6月より、全米およそ1000の書店で100ずつ配布される。これにより、アニメリカの店頭販売は中止され、完全な無料マガジンに衣替えすることになる。

 現在、アメリカではこのアニメリカのほかに日本のアニメ誌Newtypeの米国版(発売元:ADヴィジョン)や米国ベースの雑誌アニメインサイダー(Anime Insider)といった雑誌が知られている。ビズメディアはこうした激しい競争を避け、雑誌出版を競争力の強い少年ジャンプ米国版と少女ビートといったマンガ誌に注力して行くと考えられる。

 今後のアニメリカの収益は、雑誌に掲載される企業広告で賄われることになると考えられる。今回のリニューアルの背景は憶測するしか方法はないが、限定した書店とイベントに雑誌を配布することで、全国多数の書店に雑誌配布する流通経費の節約が出来ると判断した可能性が高い。そのうえで、無料で配布をしても採算が取れるという判断したのであろう。無料配布といった手段には一見驚かされるが、日本でも多くの雑誌が購読料よりも広告費で収益をあげており、広告費のみの雑誌は現実的な選択肢のひとつである。
 勿論、Newtypeを初めとする他誌との競争がそれを促したに違いないが、世界中で急速に進む雑誌の無料化の波が早くも日本アニメ誌にも及んでいるのだろう。そして、おそらくこれは雑誌の採算性と認知度の向上の点で正しい判断に違いない。