アニメ著作権信託が初登場

 みずほ信託銀行がテレビアニメの著作権を信託財産にした受益信託を手掛ける。みずほ信託と契約をするのは三菱商事系のアニメ制作会社ディーライツである。
 ディーライツは、同社がビクターエンターテイメントと共同で製作するアニメ作品『ガンソード』の著作権のうち自社持分を信託財産としてみずほ信託に信託する。みずほ信託はこれを機関投資家に販売し、機関投資家は作品完成後のライセンス料などの収益を受け取ることが出来る。また、ディーライツは信託受益権の販売により、製作資金の一部を作品完成前に受け取ることが可能になるとしている。

 今回のみずほ信託とディーライツの動きは、ふたつの点で意味がある。一点目は、これがおそらく昨年12月の信託業法の改正後のアニメの著作権を信託した初のファンドになる点である。これまで、コンテンツファンドは信託業法の制限により信託方式でなくSPC(特別目的会社)を利用したものがほとんどであった。
 しかし、信託業法改正により著作権の信託が可能になり、これを利用したファンドの増加が期待されていた。より簡便でコストも安い信託方式のアニメファンドは今後も急増すると考えられる。今回の信託はそのさきがけとして注目される。

 もう一点は、今回信託されるのが既に完成している作品の著作権でなく、これから制作する作品の著作権であることである。将来の作品の著作権というより確実性の小さなものに資金を集める仕組みが構築されることには大きな意味があるだろう。
 これで資金や既存の作品の著作権を持たない制作会社であっても、実現性の高い企画があれば資金調達がこれまでより容易になる。今後とも、こうした企画段階の作品の著作権の信託案件は増加して行く可能性が高い。