対応問われるアニメの海賊版DVDと違法交換

 コンテンツ海外流通促進機構(CODA)と社団コンピュターソフトウェア著作権協会は、3月23日に香港で香港税関が大規模な家宅捜索を行った結果、日本アニメを中心に約20万枚の海賊版DVDを没収、18人を逮捕したと発表した。この摘発は日本のアニメ著作権者からの著作権侵害申し立てに基づき香港税関が初めて行ったものである。
 押収されたDVDは約90%がアニメ作品で、タイトル数は約100タイトルに及んだ。その中には、『ガンダムシリーズ』や『ハウルの動く城』、『鋼の錬金術師』などが含まれている。近年、日本のアニメ関連企業は海賊版DVDの取締りを強化しており、既に国内でもネットオークションを中心に海賊版の摘発を進めている。今回は、香港政府の協力を得られたことが大きな成果だといえるだろう。

 一方、日本貿易振興会が発行する世界各国の政治・経済情報を届ける『日刊通商弘報』の4月6日号では、海賊版DVDとは別に、ネット上の違法な映像交換に懸念を示している。“ビットトレントの利用拡大、著作権侵害が増加”と題した記事の中で、米国におけるファイル交換ソフトの利用拡大により、日本製アニメの違法な交換が増えておりコンテンツ産業に痛手を与えているとしている。日本アニメに対する著作権侵害はアジアでは海賊版DVD、米国ではファイル交換ソフトによる違法な交換という二方面から問題にさらされているのが現状である。

 違法な映像交換は取り締まるのが極めて困難だとされている。しかし、4月6日の産経新聞によると、ソニーはネット上に氾濫する違法動画配信に対抗するため来年からネットからパソコンに映画をダウンロードする有料オンライン販売に乗り出すと発表した。
 これは、米国カリフォルニア州サンタモニカ市で開かれた『デジタル・ハリウッド会議』でのマイケル・アリータ上席副社長が明らかにしたもので、ネット上の違法映画配信や海賊版DVDを撲滅するのが狙いだとしている。ネット上での違法な映像取引に対抗するには、こうした自らが配信サービスを始めるのが最も有効な手段であるのは間違いない。そうした意味で、アップルのiTUNESの成功経験が今後なんらかの参考になるだろう。