海外を目指すムシキングのビジネス

 アーケードカードゲーム『甲虫王者ムシキング』は、4月6日からアニメ作品『甲虫王者ムシキング森の民の伝説』が1年間(52話)の予定で放映始まるなど圧倒的な人気を背景にいよいよ本格的なメディアミクスの展開を始めている。一方で、『ムシキング』の海外展開も活発化しており目が離せない状態になっている。

 もともと、『ムシキング』は特定のキャラクターでなく昆虫といった素材を扱うことによって、普通のゲームやアニメ以上に国籍、文化を超えやすくなっている。また、暴力や宗教といった海外での展開に障害になる要素がほとんど存在せず海外輸出に適したコンテンツでもある。
 これまでの『ムシキング』の国外展開はアジア地域が中心であった。今回テレビアニメの放映が始まったことで、メディアと組み合わせることで玩具展開を行うことの多い北米への進出も視野に入ってきた。さらに、北米地域の影響を強く受ける、ヨーロッパや中南米も今後の市場と捕らえることが出来るだろう。

 そして、既に昨年7月より本格的に展開されている台湾、シンガポールでは『ムシキング』は大きな人気を呼んでいる。その台湾の『ムシキング』であるが、4月2日から中国語版のムシキングの一部公開が始まっている。これまで台湾で展開されてきた『ムシキング』はカードが全て英語によって作成されていた。(右上写真参照)男子児童が主要な『ムシキング』の対象年齢であることから考えれば、この点が商品展開の妨げになっていた。中国語版の展開はこうした対策の一環である。
 さらに、中国語版の発売は、今後の中国大陸市場の展開を視野に入れている可能性が高い。『ムシキング』のビジネスは、カード商品を売るだけでなく、販売会社が提供するゲーム機を使用することが前提になる。カードリーダーの仕様によって海賊版カードの締め出しが可能になれば、海賊商品の盛んな中国市場においても収益のあがる新たなビジネスモデルが構築出来る。
 また、現在でも各国の仕様の違いを調整することで、販売価格の異なる海外版『ムシキング』は国内で利用が出来ない。各国ごとの販売価格差の調整などの点でも力が発揮出来る。そうした点から、今後の『ムシキング』の海外展開のあり方は、第2の『ポケモン』、『遊戯王』になるかといったこと同様に注目すべき点が多い。