「.hack」 フルCGアニメ3D映画に 2012年1月公開を発表

アスミック・エース
映画『ドットハック』

 ゲーム会社大手のバンダイナムコゲームスは、人気ゲームソフト「.hack」シリーズを原作としたフルCG長編アニメ『ドットハック』を2012年1月に全国主要都市で公開すると発表した。本作は3D(立体視)となり、最新の技術により現実とゲーム空間の双方を描く。
 「.hack」シリーズは、2002年4月のテレビアニメ『.hack//SIGN』から始まり、ゲームからマンガ、小説、ラジオ、OVAなど様々クロスメディアを展開している。なかでもゲームソフトは、スタートからおよそ10年でシリーズ累計は300万本を超える大ヒットを記録している。これまでもたびたびアニメ化されてきたが、フルCG長編劇場アニメは初となる。

 8月23日には、東京・秋葉原UDXで製作発表記者会見が開催された。本作の製作に携わったバンダイナムコゲームスの鵜之澤伸代表取締役副社長、三戸亮プロデューサー、配給を手がけるアスミック・エースの豊島雅郎代表取締役社長、制作務めたサイバーコネクトツーの松山洋社長らが登壇した。松山さんは、本作の監督も務める。
 さらに脚本の伊藤和典さん、メーンキャストとなった桜庭ななみさん、松坂桃李さん、田中圭さんら人気俳優も姿を見せ、豪華なメンバーが揃った。その陣容からは、バンダイナムコゲームスが本作にかなり力を入れていることが窺われた。

 鵜之澤伸さんは今回の映像化について、9月3日より同じくアスミック・エースが配給するフルCGの3Dアニメ『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』に続く、劇場CGアニメ進出第2弾であると紹介した。さらに、『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』、『ドットハック』に評価が貰えればさらなる展開もしたいと、映像事業の拡大に意欲をみせる。
 ゲーム会社の映像進出はやや奇異に映るが、バンダイナムコゲームスはバンダイナムコグループの中でコンテンツ戦略ユニットに属し、そこにはアニメ分野のバンダイビジュアルやサンライズも属している。既にグループの中ではゲームと映像はひとつになりつつあり、ゲームコンテンツを活かした映像制作は規定路線ともいえる。
 もうひとつは、ゲーム流通の活用があるだろう。鵜之澤副社長によれば、本作のパッケージはゲームを同梱したハイブリット商品としてゲーム流通で販売するという。同社は2010年に『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』で同様の試みを行い大きな成功を収めている。そうした経験も、今回の映画製作につながっているとみられる。
 一方、配給のアスミック・エースの豊嶋氏も、2作品以降があれば引き続き協力出来ればと、さらなる展開に意欲をみせる。同社は『イヴの時間』、『劇場版 東のエデン』などのアニメ映画の配給で成功を収めている。固定ファンを多く持つゲーム原作の劇場作品で、さらにアニメ市場の開拓を目指す。

バンダイナムコゲームスの鵜之澤伸代表取締役副社長

 さらに今回注目されるのは、アニメ制作をゲーム制作会社サイバーコネクトツーの映画制作チーム「sai –サイ-」が手がけることである。既にOVA『.hack//G.U. TRILOGY』でアニメ制作を行ってはいるが、長編アニメの元請制作というのは大きな挑戦である。
 同社は2010年に 第13回文化庁メディア芸術祭優秀賞も受賞したゲームソフト『NARUTO -ナルト-ナルティメットストーム』などで知られる。日本の2DアニメーションのテーストをフルCGアニメで表現したことで高く評価されている。『ドットハック』でも、『新世紀エヴァンゲリオン』、『サマーウォーズ』の貞本義行さんによるキャラクターデザイン原案を、この2Dの味わいを残したフルCGアニメに置き換える。
 国内でCGアニメの新しい表現を模索する動きが増えているが、『ドットハック』の映像は、それに一石を投じることになるだろう。近年増え始めているデジタルプロダクションのアニメ元請制作進出のひとつでもあり、ここでも新たな潮流を感じさせる。

『ドットハック』 
http://www.dothack.com/
公開日: 2012 年1 月より全国劇場公開予定
製作: .hack Conglomerate
アニメーション制作: サイバーコネクトツー sai
配給: アスミック・エース エンタテインメント

[メーンスタッフ]
監督: 松山洋
脚本: 伊藤和典
キャラクター原案: 貞本義行

[メーンキャスト]
桜庭ななみ (有城そら/カイト役)
松坂桃李 (田中翔役)
田中 圭 (岡野智彦役)