米国4キッズに経営継続の疑義 「遊戯王」問題続く 

 米国のライセンス企業4キッズエンタテインメント(4Kids Entertainment)が、2011年上半期(1月~6月)の決算を明らかにした。同社はかつては米国を代表するキャラクター・ライセンス企業のひとつだったが、長く続く経営不振もあり取巻く環境は厳しさを増している。本年4月には連邦破産法11条を申請した。また同社の主要コンテンツである『遊戯王』については、日本のライセンサーとの間で契約停止を含めた論争が続いている。
 連邦破産法11条は事業継続を前提にした会社再建を目指すものだ。しかし、8月15日の決算発表では、損失計上の継続、キャッシュ・フローの減少、ライセンサーとの論争を理由に今後の経営を持続できない可能性を示す継続の疑義を表明している。

 連邦破産法11条の申請により『遊戯王』のライセンス事業は、期間中、引き続き展開出来た。しかし、半期売上高は664万ドルと前年同期比で9%減少した。また、純損失は827万ドルと前年同期の1215万ドルに比べて大きく減少したが、再び売上高を上回る金額を計上している。
 今後のビジネスは連邦破産法11条のもとで、現在の債権者に企業再構築に向けてどの様な条件を提示出来るかが鍵を握る。どのようなものになるとしても厳しい交渉となりそうだ。
 さらに4キッズの経営の行方を『遊戯王』のライセンス問題が左右することは間違いないだろう。『遊戯王』は2010年で同社の売上げの約36%を占めるからだ。

 『遊戯王』についての問題は、2010年に日本のライセンスもとであるADKとテレビ東京が4キッズに経営の監査を請求、その結果として未払いのライセンス料があるとして支払い請求をしたのがきっかけだ。その支払いについて両者の意見が食い違い、対立することとなった。
 その後2011年3月に、ADKとテレビ東京は4キッズに「遊戯王」におけるライセンス契約停止を通告した。これに対して4キッズはライセンス契約停止の無効を主張、その後直ぐに連邦破産法11条が申請されたことから契約を巡る法的な動きは棚上げされている。
 また4キッズの決算発表では、日本の株式会社ポケモンの米国法人ポケモンカンパニーインターナショナルからも監査請求を受け、契約の見直しを求められていることも明らかにしている。また、こちらの交渉も連邦破産法11条の申請で現在は棚上げになった状態だ。
 
 一方で、4キッズは今年6月に、ADKとテレビ東京に対し監査による両社の主張、契約停止は正当なものでないと全面反論し、損害賠償を申し立てた。裁判は8月29日に破産裁判所で行われる予定である。同社は今回の裁判で自社の正当性が明らかになるとする一方で、ADKとテレビ東京の主張が認められれば経営に深刻な影響があるともする。
 裁判の行方がどうなるかを予測することは難しいが、いずれの結果が出てもADKとテレビ東京にとっても今後の課題は大きい。もし、契約停止が認められれば、自社でライセンスを管理するか、新たな海外ライセンシーを探す必要がある。マスターライセンシーの変更で、一時的にビジネスが滞るのは避けられない。
 もし、4キッズの主張が認められれば、信頼関係の崩れたパートナーと事業を続けることになる。そして何よりも、経営基盤の揺らいだ同社が今後大きな投資が出来る可能性は低く、継続的に「遊戯王」のキャラクターのプロモーションを続けられるかも心もとないからだ。