ビル・ゲイツ氏 次の狙いはスーパーヒーロー

 デジタル画像管理ビジネスで知られるコービス社は、米国のコミック出版社などを行なうエンターテイメント企業グループのマーベル社とマーベル社が保有するスーパーヒーローのデジタル画像の使用に関する契約を結んだ。
 契約によると、コービス社はこれらのデジタル画像の出版、広告、プロモーションの使用権を管理、供給する。マーベル社が保有するスーパーヒーローには、スパイダーマンやXメン、超人ハルク、キャプテンアメリカなど5000以上に及ぶ。

 コービス社は、1989年にマイクロソフト社の創設者であるビル・ゲイツ氏によって設立された。マイクロソフト社に較べると知名度は低いが、ビル・ゲイツ氏の保有するもうひとつの会社として知られている。写真やアートなどのデジタル画像権の管理を行なう世界的な会社であり、現在、コービス社の保有する画像は報道写真から美術品、有名人のポートレイト、スポーツ写真など2000万点に及び、世界最大のデジタル画像権保有会社である。
 これまで、コービス社は芸術写真、報道写真に大きな力を入れ、積極的にデジタル画像権の購入を図ってきた。通信会社のロイターやアンセル・アダムスといった写真家の画像を管理している。また、90年代には美術画像の買い集めにより、世界の美術館からデジタル画像の世界における覇権主義と反発を受けたが、現在はロンドンナショナルギャラリーやエルミタージュ美術館などの美術品のデジタル画像権を管理している。
 今回のコービス社とマーベル社の提携は、コービス社のビジネス上の関心が従来の範囲を超えて、キャラクタービジネスに拡大して来ていることを示しているのだろう。

 コービス社というと、90年代に繰り広げられた美術界との対立が印象深い。90年代はマイクロソフト社のOSや主要ソフトにおける攻撃的なビジネスを凝り広げていた時代でもあり関係者の懐疑も大きかった。デジタル画像の世界支配として批判され、このままではインターネットで使用する画像は全てビル・ゲイツ氏の許可が必要になると言われた。結局、日本の美術館を含む多くの美術館がコービス社の提案を却下した。
 一方で、コービス社は、写真の分野では着々と基盤を築き現在に至っている。今回のマーベル社と提携が数あるビジネスの中のひとつとして行なわれたのか、キャラクタービジネスとして戦略的に行なわれたのかは判断出来ない。しかし、世界のキャラクタービジネス市場の巨大さから画像世界のキャラクタービジネスの大きさも計り知れない。コービス社がこれに目をつけても不思議はないかも知れない。