2004年の米国アニメーション映画興行成績

 2004年の米国映画市場では、アニメーション映画が大躍進している。その結果は2004年の劇場映画の興行成績で確認が出来る。そして、何よりも2004年の興行成績1位が『シュレック2(英題:Shrek2)』であったことがそれを物語っている。『シュレック2』の興行収入約4億4100万ドル(約420億円)は映画興行歴代3位の記録でもある。
 この他、『Mr.インクレディブル(英題:The Incredibles)』は約2億5300万ドル(約266億円)で4位、『シャークテイル(英題:Shark Tale)』が約1億6100万ドル(約169億円)で9位、『ポーラエクスプレス(英題:The Polar Express)』が約1億5700万ドル(約164億円)で11位である。このうち、『Mr.インクレディブル』と『ポーラエクスプレス』は2005年に入っても公開が続いている。
 3Dアニメーション以外では『スポンジボブ(英題:The SpongeBob SquarePants Movie)』の約8230万ドル(約86億4千万円)の29位が最高である。純粋なアニメーション作品以外でも、2位にランクしている『スパイダーマン2(英題:Spider-Man 2)』や5位の『ハ-リーーポッター アズカバンの囚人(英題:Harry Potter and the Prisoner of Azkaban)』といった作品は、映画の中に幅広くデジタルアニメーションを取り入れており、米国映画におけるアニメーションの影響力ははかり知れない。

 こうした、3Dアニメーション映画の大ヒットの裏には、ピクサーといったスタジオのブランドの浸透や大作主義による積極的な宣伝が背景にあるのかもしれない。典型的な例が制作費約1億6500万ドル、宣伝・流通費約1億ドルと伝えられる『ポーラエクスプレス』である。『ポーラエクスプレス』に限らず、こうした、3Dアニメーションの大作主義は当たれば利益が大きいが、反面大きなリスクを抱えている。特に、2004年の3Dアニメーション映画の好調ぶりは、今後の大作アニメーション映画の増加を招き、市場での競争を激化させるだろう。結果として、こうした大作アニメーション映画のリスクは今まで以上に増大するに違いない。

 こうした中、日本アニメでは『遊戯王 ザ・ムービー(英題:Yu-Gi-Oh!The movie)』の興行収入が約1976万ドル(約20億円)で100位ちょうどとなっている。これは、日本の劇場用アニメーションとしては歴代第3位となる好成績である。しかし、『遊戯王 ザ・ムービー』は、元々、日本市場向けというよりも、最初から米国市場向けに製作した作品である。公開方法も、全米の2411館の劇場を押さえた全米ロードショーであったことを考えると、配収100億を超える米国アニメーションと比較すれば製作側にとっては不本意な成績だったのでないかと思われる。また、押井守監督の『イノセンス(英題:Ghost in the Shell 2: Innocence)』の興行収入は約94万ドル(約9800万円)であった。これは、2004年の米国市場では212位である。こちらの劇場数は55館のみの限定公開で、劇場1館あたりの平均売上高は18,800ドルになる。これは、『遊戯王 ザ・ムービー』の1館あたりの8,200ドルを大きく上回っている。一方、制作費は『遊戯王 ザ・ムービー』が約3億5千万円に対して、『イノセンス』は約23億円と伝えられている。何を持って成功とするかによって成功の基準もまた変わって来るだろう。

以上の数字は全てBox Office Mojoの数字を参考にしています