日本アニメのディトリビューターADVフィルム

 日本アニメが北米市場で人気があると言われるようになって久しい。しかし、誰が米国の消費者に日本のアニメを販売し、届けているかはあまり知られていない。現地の小売店タワーレコードやベストバイいったDVD/ビデオ販売店で日本アニメを目にするケースは増えている。アニメ制作企業とそれを販売する小売店は判りやすい。しかし、誰がそのアニメの英語版を作り小売店に供給しているのだろうか。

 日本アニメを米国で売り込むのは、日本企業自身や日本企業の現地子会社だと思いがちだが、むしろそれは日本企業の中ではごく少数の例外である。実際には、米国人が経営するディストリビューター呼ばれる現地の流通会社が米国市場、時にはヨーロッパ市場やアジア市場まで含めた日本アニメの配給権を購入して市場展開する場合が多い。
 そうした企業の多くは90年代初頭に一部のマニアックな日本アニメファン・コミックファンの趣味が高じて会社を作るまでになったものだ。しかし、日本アニメ市場の急成長と伴にその中の幾つかが業界を代表する企業にまで成長した。今では、日本アニメやコミックの流通におけるビッグプレイヤーとしてなくてはならない存在になっている。FUNanimationやTOKYOPOPといった会社が代表企業で、海外の大規模なアニメコンベンションやアニメ情報誌では必ず目にする名前である。

 こうした企業のひとつにテキサス州ヒューストンに本社を構えるADVフィルムがある。株式公開をせず、Webサイトの会社情報ページでも自社について多くを語らない。このため企業の経営状況については判らないことが多いのだが、米国の経済雑誌Forbesが“Why Grow Up?”と題して急成長するADVフィルムを記事に取り上げている。(オンライン版Forbes.com 9/6、フォーブス日本語版では12月号の「日本のアニメで大儲け!」の記事となっている。)
 記事によると今年35歳になるADVフィルムの社長のジョン・レッドフォードは大学を中退の後、1990年に日本のゲーム機器・ソフトの販売会社を作り大儲けした。1992年には友人に勧められた『となりのトトロ』を観たのをきっかけに日本アニメに関心を持ち、日本アニメの販売会社を始めたという。それが、今では年間に400タイトルのDVDの発売し、米国市場ではDVDの発売タイトル数でMGM、コロンビアトライスター、ワーナーブラザースに次ぐ規模にまで成長した。今年の売上高は前年比30%増で売上高1億5000万ドル(約158億円)である。
 また、新たなビジネスとしてアニメ専門の24時間放映のケーブルTVチャンネルANIMENETWORKを2年前に設立し、タイムワーナー系のカートゥーンネットワークに対抗しているとフォーブスでは伝えている。